将棋の福間香奈清麗=女王、女流王座、女流名人、女流王位、倉敷藤花=が7日、神奈川・箱根町の「山のホテル」で第7期清麗戦五番勝負第3局に臨み、挑戦者の渡部愛女流四段を92手で下した。3連勝で4期連続6度目の戴冠を果たし、女流六冠を維持した。

 後手の福間は8手目で飛車を5筋に据え、ゴキゲン中飛車の戦型を選択した。両者とも8筋に玉を据えて美濃囲いとし、先手・渡部が41手目で3筋の歩をぶつけて開戦。しかし福間は冷静沈着な手筋で終始局面をリードした。渡部は63手目で50分、65手目で20分、67手目で17分、69手目で17分を考慮に費やし、持ち時間でも劣勢となった。渡部は83手目で秒読みに突入。この時点で福間は残り41分を有していた。

 福間は「結構一手一手難しい将棋だったんですけど、自分なりにうまく対応できたかなと思います」と胸を張った。開幕3連勝で終えた本シリーズについては「定跡系じゃなくて、力戦の将棋ばっかりだったのかなと思うんですけど、その中で一手一手考えて指せてたかなと思うので、充実したシリーズだったかなと思います」と振り返った。

 福間は第1期(2019年)から清麗戦に登場している“皆勤賞”。第1期で甲斐智美女流五段に勝利し、第2期(20年)に防衛。第3期(21年)で加藤桃子女流四段に2勝3敗で敗れたが、第4期(22年)で加藤にリベンジ。第5期(23年)に西山朋佳女流二冠、第6期(24年)に加藤を下して3期連続5度目の戴冠を果たし、クイーンの称号を得ている棋戦の顔だ。

 福間の次のタイトル戦は30日に東京・台場で第1局が指される第5期白玲戦七番勝負。勝者は優勝賞金4000万円、特別賞1000万円の合計5000万円を得ることになったビッマッチだ。西山白玲を下し、第2期(22年)以来の奪冠および、史上初の女流七冠といきたいところだ。

 ※肩書は現在のもの。

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