◆卓球 WTTチャンピオンズ横浜 第1日(7日、横浜BUNTAI)
開幕し、男女1回戦が行われた。女子でパリ五輪銅メダル、世界ランク13位の早田ひな(25)=日本生命=は、同54位のシャオ・マリア(スペイン)に3―1で快勝し、2回戦に進んだ。
エースが復活だ。マッチポイントで早田が生命線の左腕を振り切った。強烈なバックドライブで勝負を決め、ホームの大歓声に包まれると、右拳を強く握った。「この試合を乗り越え、次につなげられて良かった。泥臭くできることに集中して勝つことができた」と勝利をかみしめた。
昨年夏のパリ五輪で左腕を痛めた。約2か月半の静養後、同11月の地元・北九州でのWTTファイナルでは初戦敗退。今年1月に優勝した全日本選手権でも、状態は100%にはほど遠かった。左腕への負担を考慮し、サーブやバックハンドの技術はセーブしていたが今大会2週間前、ついに“解禁”。この日は「ひなちゃん頑張れ」の声援を味方に、第4ゲームの勝負どころではサーブで崩し、バックで力負けしなかった。
パリ五輪ではテーピングを施して個人銅、団体銀の2つのメダルを獲得。28年のロス五輪金メダルの目標へ「パリは『よく耐えたな』と思う。パリの自分を超える気持ちで頑張りたい」と大きな一歩を踏み出した。
世界ランク6位の張本美和(17)=木下グループ=が勝ち上がれば、2回戦で日本人対決の可能性もある。この日は午後9時前の開始で「観客の方もお仕事もあるだろうに遅くまで残ってくれて…。早く寝てください!」と気遣いも忘れない早田。初タイトルへ、エースの心技体がかみ合ってきた。(宮下 京香)