◆サッカー◇東海中学総体 ▽男子準決勝 常葉大橘4-0中津川FC(8日・エコパ補助競技場)
準決勝が行われ、常葉大橘(静岡2位)が中津川FC(岐阜2位)を4―0で下し、2016年以来9年ぶりとなる全国切符をつかんだ。FW市川翔(かける、3年)が前半5分にFKを直接決めるなど2得点と活躍。
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橘が計4発で中津川FCを圧倒し、9年ぶりの全国出場を決めた。攻撃の先陣を切ったのは背番号10の市川だ。前半5分、ゴール右側でFKを得ると、「自分の武器。狙いました」と左足を一閃(せん)。シュートはGKの頭上を越え、ファーサイドのポスト内側に当たってネットを揺らした。
その後も攻めた。右サイドを市川、左サイドを村松陸羽(りく、3年)が何度も突破。同15分には村松の鋭いシュートをGKがはじいたところをFW原田夢生(むう、3年)が足を伸ばして押し込んだ。後半7分には市川がドリブルで切り込んでミドルシュート。2戦連続の2得点で勝利を呼び込み、「全国を決められてうれしい」と笑顔を輝かせた。
松下義生監督(46)も「全国の舞台に戻るつもりでやってきた。選手がよくついてきてくれた」と胸をなで下ろした。9年前のチームも指揮しており、その後は高等部の監督などを務め、今年4月に復帰。飛び抜けたスターがいない分、各選手の強みを生かした攻撃を構築してきた。それを代表するのが正確なキック力を誇る市川と、突破力が光る村松。指揮官は「思い通りすぎて怖い」と苦笑した。
決勝では静岡学園とぶつかる。中部と県の決勝で連敗しており、「点を決めたい。今度は勝ちます」と村松は宣言。松下監督も「静学は日本一強いと思っているが、やるからには勝ちたい。これまでとは違う戦いをしたい」と必勝を期した。全員サッカーで難敵を打ち破る。
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静岡学園は岐阜のライバルをシュート2本に抑えて快勝した。帝京大可児には、昨年は決勝でPK戦の末に敗れ、一昨年は準決勝で0―2で黒星。それだけにMF山田栞汰主将(3年)は「勝ててうれしい」と笑顔で話した。
序盤は守備を固める相手に苦しんだが、頼れる主将が状況を打ち破った。前半22分にセットプレーのこぼれ球を逃さず蹴り込んで先制。「あれで相手が前に出てきた」とFW吉沢心(しん、3年)。攻撃にリズムが生まれ、後半に吉沢らが3点を追加した。
9日は3年ぶりの優勝を懸けて橘と戦う。「お互いよく知っている相手。いいプレーを見せたい」と山田栞主将は気を引き締めた。