オランダ1部アヤックスは、ドイツ1部ボルシアMGの日本代表DF板倉滉(28)の獲得を発表した。契約期間は4年プラス1年の延長オプション付き。

移籍金は総額20億円以上、年俸は約5億円の大型契約とみられる。板倉は同国リーグ最多36度の優勝を誇るオランダ屈指の名門に加入した初の日本人となった。板倉は「アヤックスは世界有数のビッグクラブ。加入できてうれしい。日本人もアヤックスのことは知っている。僕のスタイルはアヤックスに合うと思う」などと話した。

 クラブの公式サイトでは、ボルシアMGでの板倉の数々のデータが紹介されている。「(板倉の)ボルシアMGでの3年間の成績を振り返ると、非常に注目すべき点がいくつかある。守備クリア数において、板倉は2022/2023シーズン以降、ボルシアMGの全選手の中で2位の322回を記録している。そのうち153回はヘディング。デュエルは303回、空中戦は146回、インターセプトは77回、タックル成功は67回を記録している。板倉はボールポゼッションでも際立っている。

2022/2023シーズン以降、1008回のキャリー(足元にボールを持って前進する)を記録している。そのうち541回は前進パスで、219回は10メートル以上の前進パスだった。また1310本の前方パスを出し、パス精度は89・7%でした。さらに、昨シーズンのブンデスリーガでは、板倉はゴール前でのオープンプレーに69回関与しており、これはクラブのDFの中で最多記録」。攻守にわたる板倉の貢献を評価。伝統的に攻撃的なスタイルを持つアヤックスへのフィットを示唆した。

 アヤックスのテクニカルダイレクター、アレックス・クロース氏は「滉選手がアヤックスと契約を結んだことを大変嬉しく思います。これは、私たちが長い間慎重に進めてきた契約です。彼はクラブ史上初の日本人選手となり、特別な節目となります。滉選手は、私たちの守備陣に必要な経験と安定感をもたらしてくれます。デュエルに強く、ボールコントロールに優れ、戦術的にも優れています。彼のメンタリティとリーダーシップは、チームを導く上で重要な役割を担うでしょう。

彼がアヤックスのユニフォームを着てプレーする姿を見るのを楽しみにしています」と述べた。

 オランダの強豪で言えば、フェイエノールトはかつてMF小野伸二、現在もFW上田綺世、DF渡辺剛が在籍。PSVもMF堂安律がかつてプレーした。しかしアヤックスは、クラブ公式サイトでも「クラブの125年の歴史の中で、様々な国籍のサッカー選手がアヤックスのユニフォームを着てきました。アヤックスでプレーした選手の大半は、当然のことながらオランダ国籍です。外国人選手は50国以上から来ています。アヤックスの選手は、ヨーロッパに加え、アフリカや南米出身者も多い。しかし、アジアはまだ比較的未開拓の領域」と言及しているように、これまではアジア人の獲得に積極的とは言えなかった。

 アヤックスは24年よりG大阪と提携。今年は若手2人(GK荒木瑠偉、FW名和田我空)が練習参加するなど、日本とのつながりは強まっていた。そんな中で決定した板倉の獲得。アヤックスは伝統的に有望な若手と経験豊富なベテランというチーム構成で、競争力のあるチームを作ってきた。

板倉が背負う背番号4は、かつてオランダ代表DFフランク・デブールや、DFデリフトなど、中心選手がつけてきた番号だ。28歳の板倉は、新たなチームリーダーとしての期待も背負い、伝統の赤と白のユニホームに袖を通すことになる。

編集部おすすめ