NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)~」(日曜・後8時)で幕府の老中・松平定信を演じる俳優の井上祐貴が、このほど都内で取材会を行い、初共演する田沼意次役の渡辺謙などについて語った。

 「寛政の改革」で知られる定信は、商業を重視した田沼の政治を見直し、質素倹約を基本とする厳格な政策を進めた。

10日放送予定の第30話では、早くも定信が田沼と対立するシーンが描かれる。井上は渡辺との初対面を振り返り「『ん? お前か…』みたいに、松平定信VS田沼意次という関係性で接してくださった。緊張してたので、いい意味で心が軽くなった。楽しみが多い状態で現場に入れました」。渡辺からは演技のアドバイスももらったという。

 井上にとっては、2023年の「どうする家康」で本多正純を演じて以来の大河。前作の経験が「所作に生きている」と語る一方で「もっと余裕や引き出しが欲しい、と思うことが増えている。そういう意味では成長を感じる瞬間はない。とてつもないやりがいがあるし、自分にしかできない表現をしたい」と言い切った。

 演技で意識するのは「目」だという。セリフ以外の部分に感情を乗せることを目指し「どれだけ表情で伝えられるかを意識している」とした。

 自身の性格が定信寄りか田沼寄りかを問われると「うわー、田沼派だ…。

定信のやり方じゃみんな疲れちゃうよ、と思っちゃう。すみません、完全に田沼派です…」とまさかの告白で笑わせた。

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