日本サッカー協会(JFA)の元会長で、現相談役の川淵三郎氏が釜本邦茂さん(日本サッカー協会元副会長)の訃報(ふほう)を受けてコメントを発表した。

 「稀代のストライカー、釜本邦茂さんの訃報に接し、心から哀悼の意を表します。

そして、長い療養生活を深い愛情をもって支えてこられた奥さまに心からお悔やみと謝を申し上げます。

 東京オリンピックの前年、東大検見川で行われた古河電工と山城高校との練習試合で初めて釜本選手と一緒にプレーをして、日本人離れしたそのスケールの大きさに驚かされた記憶があります。既に釜本選手を見ていたクラマーコーチからは熊のような選手がいると聞いていましたので、のっそりしたでっかい選手だろうと思っていました。ところが、いざ対戦してみると、そのスピードと本能的なゴール感覚たるや!「えっ、これが高校生なの?」と度肝を抜かれました。

 東京オリンピックを控え、5か月にわたる選手選考が行われました。その東大検見川での合宿でも日に日に目に見えて上達していく釜本選手に驚かされました。後にも先にもこんな経験はありません。現役引退後、“釜本2世”と謳われた選手は何人も出てきましたが、半世紀たった今も彼に近づいた選手はまだ現れていません。“不世出の選手”という言葉がぴったりな釜本さんでした。

 ご冥福を心よりお祈り申し上げます」

編集部おすすめ