11日に岩政大樹監督(43)の解任を発表したJ2札幌の石水創代表取締役社長(43)が12日、柴田慎吾新監督(40)に交代した経緯を明かした。
札幌・宮の沢で行われた新体制初練習後に取材対応。
熟考は重ねてきた。7月12日の磐田戦に1―5で敗れ、3週間の中断期間中に監督候補の1人と接触したことも明かした。しかし強化の最高責任者・竹林京介フットボール部長を含めた3者会談を同月17日の練習再開前に行った際、岩政氏から「これからは攻撃的にいきます。システムを変えて攻撃的なアプローチをしていく」という言葉があったという。石水社長は「ここは信じて、3週間空けてからスタートダッシュを切れるように全力でサポートしようと決めた」と思い直し、手腕に託した。
再開戦となった8月2日の鳥栖戦は1―0で勝った。しかし石水社長は「中身は守備的になっていた」と内容を疑問視。加えて岩政氏が試合後の会見で「目指しているサッカーに近付きつつある」と発言したことで「認識のずれが大きかった」。同戦後に複数の選手から希望されて面談した際には「社長が目指しているサッカースタイルはどういうものですか」と問われ、意見も聞いた。「選手がやりたいサッカーができていない」という思いを感じ、監督交代に向けて調整を開始。9日の長崎戦に1―2で逆転負けしたことで踏み切ったが「あるいは引き分けでも今回の決断はしたと思います」と話した。
シーズン残り3分の1での指揮官交代。「迷いはすごくありました」と口にしたが「今の結果と将来のコンサドーレに向けて目指しているサッカーというところを色々比べて、未来を見据えて今決断しよう」と柴田新監督にタクトを託した。J未経験の指揮官に対し「難しい状況ではありますので全力でサポートしたい。J1昇格というミッションが達成できなかった場合でも、柴田さんのこれからの経験はクラブにとっても非常に大きな財産。どんな結果になろうとも、何らかの形で一緒にコンサドーレのためにやってもらいたい」と中長期的に支えていく構えを強調した。「私たちはJ1昇格をあきらめてはいないので」。まずは16日のホーム・秋田戦での2試合ぶり勝利へ、クラブ一丸となって戦う。