10日に肺炎のため81歳で死去した元サッカー日本代表FW釜本邦茂さんの告別式が13日、大阪府内で営まれた。日本サッカー協会名誉会長の田嶋幸三氏、メキシコ市五輪で同僚だった横山謙三氏、親交の深かった俳優・松平健氏が弔辞を務めた。

*  *  *

 松平健は「以前、雑誌のインタビューで『私が亡くなったら松平健に弔辞を読んでもらう』と冗談まじりにおっしゃっていたことが、こうやって現実のものとなってしまいました」と語り、故人をしのんだ。

 2人の付き合いは30年以上になり、釜本さんの自宅を訪れる機会も多かったという。「大阪に仕事で来る際には家に招待いただき、いつも楽しい時間を過ごさせていただきました」と明かした。

 釜本さんが「携帯の着信音、何だと思う?」と言って、暴れん坊将軍のテーマを聞かせてくれたことがあったという。「その時の釜本さんの笑顔が今でも忘れられません」とし、「私のみならず、家族のことまで気にかけてくれて、釜本さんの優しさ、笑顔、懐の大きさ、パワーに、いつも元気をもらっていました。どうぞ安らかにお眠りください」と締めた。

 弔辞後は、また石破茂・内閣総理大臣や宮本恒靖・日本協会会長、野々村芳和・Jリーグチェアマンからの弔電が紹介された。

 釜本さんは歴代最多の国際Aマッチ通算75ゴールをマーク。68年メキシコ市五輪では7ゴールで得点王に輝き、銅メダルに貢献した。

 戒名は「本徳院英輝勝翼邦教居士」。親族によると「サッカー選手の英雄として、試合を勝利へと導き、光り輝く記録を残し、また指導者としても選手を教え導いた人」として、その傑出したキャリアをたたえる11文字となった。

 祭壇には、釜本さんの引退試合参加のために来日した元ブラジル代表のペレさんとの2ショットや、元西ドイツ代表のベッケンバウアーさんとマッチアップする写真が飾られた。

7ゴールを挙げ、アジア勢初の表彰台となる銅メダル獲得に貢献したメキシコ市五輪での雄姿も、輝かしく掲出された。

編集部おすすめ