10日に肺炎のため81歳で死去した元サッカー日本代表FW釜本邦茂さんの告別式が13日、大阪・吹田市の公益社千里会館式場で営まれた。日本サッカー協会名誉会長の田嶋幸三氏、メキシコ市五輪で同僚だった横山謙三氏、親交の深かった俳優・松平健氏が弔辞を務めた。

また釜本さんが93、94年にJリーグ発足時にG大阪監督をつとめた際、中心選手だった礒貝洋光氏も参列。「安らかに、静かに眠ってください。これしかないです」と話した。

 監督と選手として過ごした当時の思い出について「常に(釜本さんの)コメントがガンバ(クラブ)側じゃなくて、選手側が多かった。だからそういう意味では、助かったね」と回想。現役時代は高い技術と発想力を誇り、“天才”と称された礒貝氏。釜本さんのすごさについては「記録を残していることがすべてでしょ。そういう意味では、次の人が(日本サッカー界に)出てくることを願っております」と話した。

 礒貝氏は通夜が行われた12日夜から、葬儀場に泊まり込んだという。「と思ったら、寝てましたよ。気持ちよく寝てた。おまえ、何も役に立ってない、とか言われて」と苦笑いを浮かべた。

出棺の際は、先頭でひつぎをかついだ。「おれ、あまりこういうの(葬儀)は来ないから。まあ、いつからおれらも追っかけていくわけだから。また、さよならしかない」とうなずいた。

 現役時代はG大阪、浦和でプレーし、29歳で引退した礒貝氏。その後ゴルフのプロテストにも挑戦した。現在については「サッカーとゴルフをこよなく愛する人、ですよね。まあ、また皆さんの前にもう一回、出てこられたらいいな」と話していた。

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