10日に肺炎のため81歳で死去した元サッカー日本代表FW釜本邦茂さんの告別式が13日、大阪府内で営まれた。日本サッカー協会前会長の田嶋幸三氏、メキシコ市五輪銅メダルメンバーの横山謙三氏、親交の深かった俳優・松平健氏が弔辞を務めた。
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田嶋氏は「天性の点取り屋。世界と伍(ご)して戦えるストライカーは、残念ながらまだ釜本さんだけだろうなと」と故人をいたみ、「私たちはその功績を胸に刻み、これからのサッカーの発展に尽くして参ります。体がでかくて、声も大きくて、威圧感もあって、怖い大先輩ですが、サッカーを愛し、本当に優しい人でした」と声を震わせた。
7ゴールを挙げ、得点王に輝いたメキシコ市五輪での釜本さんの雄姿は、サッカー少年だった田嶋氏にとって憧れだった。筑波大1年時に関東大学リーグ得点王に輝いた際には、早大で4年連続で得点王となった釜本さんの“再来”として、メディアに騒がれたこともあったという。「川淵さんがおっしゃっていました。釜本2世と呼ばれたやつは何人もいるが、釜本さんに追いついたやつはいないと。私もその1人となったことを、光栄に思わないといけないと思います」と語った。
戒名は「本徳院英輝勝翼邦教居士」。親族によると「サッカー選手の英雄として、試合を勝利へと導き、光り輝く記録を残し、また指導者としても選手を教え導いた人」として、その傑出したキャリアをたたえる11文字となった。