J2北海道コンサドーレ札幌は16日、ホームで秋田と対戦する。11日に解任された岩政大樹前監督(43)の後を受けた柴田慎吾監督(40)が、初めて指揮を執る一戦。

就任から練習指導できたのは4日だけだが、可能な限りイズムは注入してきた。クラブ史上4人目となる新監督の初陣白星へ、選手を信じ、全力でタクトを振る。

 非公開で行われた15日の宮の沢での練習で、柴田新監督は秋田戦に向けた調整を終えた。11日に就任が発表され、指導したのは4日間。「全てが最初からうまくいくとか、全部を落とし込むことはこの期間では無理なので」と口にこそしたが「できる限りのベストは尽くした。あとは選手とスタッフとサポーターの皆さんと一緒に戦うだけ」と気持ちを強くし、初陣へ臨む。

 短期間の中も課題の修正は図ってきた。「戦術があるので」と明言こそ避けたが「改善しなきゃいけないポイントは改善した」と強調した。4日間の練習で押し出していたのは、前にボールを運ぶ意識とクロスへの守備対応。12日の就任会見でも指摘していた部分を、重点的に取り入れてきた。「最初からああしろこうしろでは選手も混乱する。目指すべきところは共有できた。

勝つ確率が少しでも増えるよう、いい準備はできたかなと思ってます」。できるだけの態勢は整えた。

 この日の練習後の円陣では「走る、戦う、規律を守るっていうところを前面に打ち出して、応援してくれるサポーターに勝ち点3を届けようと話した」とクラブの根本理念を改めて徹底。「あとは最後までゴールを目指す、ボールを奪いにいく、ゴールを守るという本質的なところ。やってきたことをピッチ上で表現してほしい」と選手を送り出す。

 札幌史上17人の監督が指揮を執ったが、初戦で勝利を挙げたのは3人のみ。途中交代での達成者はいない。残り13戦で11位からのJ1昇格という、難題挑戦への第一歩。「信念を持って自分たちのフットボールをやりたい」。攻撃姿勢を発揮し、柴田監督が偉業を成し遂げにいく。

(砂田 秀人)

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