◆明治安田生命J2リーグ 第26節 今治2―1富山(16日、富山県総合運動公園陸上競技場)

 カターレ富山は、1―2で9位のFC今治に敗れた。4戦勝ちなしで、順位は18位と変わらず、降格圏脱出はならなかった。

前半に2失点を喫し、前半終了のホイッスルが鳴り響くと、ゴール裏サポーター席からは一斉に大ブーイング。お盆休みで6428人と観客も多かったが、前半終了直前には誰もいないエリアにクロスを上げるなど、かみ合わないプレーにサポーターの不満も爆発してしまった。安達亮監督は「最初の2失点が本当にもったいなかった。立ち上がりはうまく攻めたので、先制点が取れれば展開が変わったと思う。相手の時間になったときに耐えられない。チーム、選手個人の強度も足りないのかなと思います」と振り返った。

 序盤はパスをつないでチャンスを作るも、その後は相手守備の厳しいプレッシャーでボールをキープできない場面が続いた。そして相手の早い攻撃に対応できずに前半22分に先制を許すと、同アディショナルタイムにはCKの流れから追加点を許した。後半2分には相手MFがレッドカードで一発退場。引いた相手に猛攻を見せ、後半アディショナルタイムにDF實藤友紀(36)が1ゴールを決めたが、追いつくことは出来なかった。

 4試合連続で複数失点を喫した。シュート数は12対11、CK数は12対3と上回ったが、相手GKの好セーブで阻止される場面も多かった。

得点力不足は深刻で、ゴール数は通算26試合でリーグ最少タイの22得点。今月7日にはJ1横浜FCからFW小川慶治朗(33)、12日にはJ1福岡からFW前田一翔(19)が加入したが、この日はベンチ入りなし。安達監督は「2人とも元気に練習している。チャンスがあれば、試合に出られる状況です」と話した。

 今治は10人でリードを守り抜き、試合後のサポーター席は大きく盛り上がった。富山のゴール裏ではブーイングも飛び交ったが、最後は力強い激励の言葉と拍手で選手たちを見送った。指揮官は「数字的に残留争いから免れることはなくなってきた。最後の1試合まで、残留するためにやり抜くしかない。覚悟を決めてやっていきたい」と前を向いた。(中田 康博)

 ○…4連勝を飾ったFC今治の倉石圭二監督は「退場者を出して、思うようなゲームコントロールが出来なかったが、主体性を持って粘り強く守ってくれた。1人が1・1倍頑張ったのは評価できます」と選手たちの奮闘をねぎらった。

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