◇明治安田J2リーグ ▽第26節 秋田2-0札幌(16日・大和ハウス プレミストドーム)

 北海道コンサドーレ札幌が、開幕4連敗以来となる連敗を喫した。11日に就任した柴田慎吾監督(40)の初采配となったホーム・秋田戦は、前後半ともミスが絡んで失点。

0―2で敗れ、クラブ史上4人目の初陣白星とはならなかった。攻撃も4月25日の大宮戦以来、15試合ぶりの無得点に終わったが、後半だけで15本のシュートを放ち、終盤は敵ゴールを脅かした。指導4日という短期間の中でも見せた、指揮官が目指す攻撃的スタイルを向上させ、次戦以降の巻き返しにつなげる。

 試合終了間際、FWマリオセルジオが頭で放った弾道は、クロスバーに阻まれた。最大の見せ場をものにできず、柴田監督は頭の後ろで両手を組み、悔しがった。就任6日目で迎えた初陣は、15戦ぶりの完封負け。「勝てなかったことが全て」。練習を指導したのは4日という事実も言い訳にはせず、黒星を受け入れた。

 プレーオフ圏の6位と勝ち点8差という苦境の中、岩政大樹前監督(43)の後釜を託された。初めて執るプロの指揮。「アタックするところと、どれだけ勇気を持ってプレーできるか」。試合前ミーティングでは恐れずに前に出ていくことを訴えて臨むも、前半は秋田にペースを握られた。

 ハーフタイムに映像を見せながら「ワイドをうまく使いながら、スピードアップして相手の嫌なところに入っていこう」と指示した。策が実り、後半は敵陣で長くプレーした。ただ得点は生まれず「前半と比べて狙いとするものは出たが、点を取れなかったので。そこは修正しないといけない」と結果を真しに受け止めた。

 明確に見えている改善点がある。攻撃に関し「一つは入る場所にさぼらずに入っているか。もう一つはこのタイミングで出せば通るのに、1個見てからとか、ワンテンポ遅い」と課題を挙げた。一方でミスが絡んでの2失点については「とがめられないと選手には伝えた」と口にした。根底にあるのはチャレンジを恐れない気持ち。目指す攻撃的スタイルへ変ぼうさせるためにも、前向きさを植え付ける。「信念を持ってぶれずにやり続けて、日々のトレーニングから100%、次にああいう現象が出ないようにやっていくしかない」。そう言って前を見た。

 試合後は選手と共にグラウンドを1周し、ファンに頭を下げた。「思いに応えられず、本当に申し訳ない気持ち」。もう失望はさせたくない。次戦は23日の甲府戦。自身初勝利へ「本当に勝つしかない状態。チーム一丸となって、勝利に向かってベストを尽くすのみ」。立てた誓いは是が非でも果たす。(砂田 秀人)

 ●GK高木(新監督の初戦を終え)「相手を引き出しながら、ワイドを使って攻めるという、柴田監督のやりたいサッカーは意識的にできたと思う。正直まだまだだが、今までよりゴールに迫るシーンが増えたのは変わったところ」 

 ●DF浦上(自身のミスから2失点目を喫し)「責任を強く感じている。あのミスは許されない。今日は僕がゲームを壊してしまった。この世界は結果が全てというのを僕たちは(監督交代で)目の当たりにした。

後がないという気持ちで日々の練習をしていく」

 ●MF青木(攻撃的な位置でフル出場)「押し込んで試合を進めることは最近なかった。そこはいい傾向。みんなゴールを取りたい気持ちは分かるが、ゴール前の詰まってるところに入っても仕方ない。そこで工夫することは必要」

編集部おすすめ