NHKは19日、女優の髙石あかりがヒロインを務める2025年度後期の連続テレビ小説「ばけばけ」(9月29日スタート)の主題歌が、夫婦デュオ「ハンバートハンバート」の「笑ったり転んだり」に決まったと発表した。
「ハンバートハンバート」は1998年に結成した佐野遊穂と佐藤良成による夫婦デュオ。
佐野遊穂は「朝ドラ主題歌?!と聞いた時は驚きましたが、その舞台が松江と聞いて、またびっくり。昔から何度もライブに訪れて、たくさん思い出のある場所です。そして、物語にぴったりのとても良い曲ができたと思っています。たくさんの人に聞いてもらえたらうれしいです」と喜んだ。佐藤良成は「はじめはどんな曲を作ったらいいものか悩みましたが、曲作りは考えすぎるとかえってよくないので、モデルとなった小泉セツさんの『思い出の記』をただただ繰り返し読み、自分がセツになったつもりで一気に作りました」とコメントした。
ドラマの放送に先駆けて、今月26日放送の「うたコン」(火曜・午後7時57分)で主題歌を初披露する。ハンバートハンバートの2人が公開生放送で演奏・歌唱するのはこれが初めて。さらに、髙石あかりと、夫役のトミー・バストウがゲストとして出演し、見どころを語るという。
主題歌決定にあたり、制作統括の橋爪國臣氏は「『ばけばけ』の主題歌を作るにあたって、トキとヘブンの2人のありのままの空気感を飾らずに歌にしてくれる方にお願いしたいと思っていました。ハンバートハンバートのお二人は、まるで芝居をしているかのようにその世界に溶け込み、ありのままを曲にできる方だと思います。お二人がつむぎ出してきた数々の曲のように、『ばけばけ』でもドラマの世界観をそのまま主題歌にしてくださるだろうと思い、お声がけしました」と起用の理由を説明した。
そして「良成さんと遊穂さんが同じように歌っていても、重なるようで重ならない、それはトキとヘブンの関係のようだなと感じています」とドラマにも重ね合わせ、「楽曲制作にあたっては、セツさんが記した「思い出の記」を何度も読んでもらい、松江でゆかりの場所を訪ね、スタジオの撮影にも足を運んでもらい、ドラマの世界にたっぷりと浸っていただきました。そうして出来上がってきた曲を聞き、ただひたすら感動しました。「笑ったり転んだり」は何度聞いても飽きがこない曲です。聞くときの気分で、よりそってくれる時もあれば、はげましてくれる時もあり、泣ける時もあれば笑えるときもある。聞くたびに違って聞こえる歌です。ドラマの中で流れて、すっとしみ入るように心に入ってくる、そんな主題歌をいただけたと思います」とコメントした。
朝ドラ113作目となる「ばけばけ」は、怪奇文学作品集「怪談」を発表した小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの妻・小泉セツをモデルにした作品。明治時代の松江を舞台に物語はスタートし、史実を再構成してフィクションとして描く。原作はなく、脚本はNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」、テレビ東京「デザイナー渋井直人の休日」「きょうの猫村さん」などを手掛けた、ふじきみつ彦氏が担当する。