◆プロボクシング ▽東洋太平洋スーパーフライ級(52・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者・横山葵海(3―0判定)同級14位・馬場龍成●(8月19日、後楽園ホール)

 東洋太平洋スーパーフライ級タイトルマッチで、王者・横山葵海(24)=ワタナベ=が同級14位の馬場龍成(29)=EBISU K’s BOX=を3―0の判定で下し、初防衛に成功した。

 戦績は横山が4戦全勝(1KO)、馬場が4勝(1KO)3敗1分け。

 ともにアマチュア時代に全日本選手権を制しているアマエリート同士の対決。横山は、序盤からハイテンポにジャブを飛ばし、4回終了時の公開採点は3者とも39―37で横山を支持。中盤は馬場の右が横山の顔面をたびたびとらえたが、横山もジャブで主導権を渡さず、8回終了時の公開採点は77―75で3者とも横山を支持。王座獲得のためにはKOかダウンを奪うしかなくなった馬場は9、10回もがむしゃらに攻めたが、ジャッジの採点は3者とも96―94で横山を支持した。

 左目を大きく腫らした横山は、初防衛にも「運が良かっただけ。全然内容は良くなかった。左が腫れている。もらっていたので、ガードが甘い」と反省しきりだった。今回の試合は、2日の興行での2件のリング禍を受けて12回戦から10回戦に短縮されて行われた初の東洋太平洋王座戦だった。「特に問題はなかった。12ラウンドの練習をやってきたのでゲームプラン、感覚が鈍る部分はあったが、言い訳になる。倒す選手は倒すので」と振り返った。

 かねてから、元4階級制覇王者・田中恒成(畑中)の持つ日本男子最速記録に並ぶ5戦目での世界王座獲得も見据えていた。しかし所属ジムの渡辺均会長は「右を直撃されている。そこを直さないと上にはいけない。それからですね。パワーはすごいが、ディフェンスの裏付けができてから挑戦するのがいいのかなと」と次戦での世界挑戦を否定。横山も「リード(パンチ)に頼り過ぎてガードが下がってしまった。どちらもできないと上にはいけない」と出直しを誓った。

 ワタナベジムでは、7月に元世界2階級制覇王者の京口紘人(31)が、今月には前WBC世界ミニマム級王者の重岡優大(28)が、それぞれ引退を表明した。前IBF世界同級王者・重岡銀次朗(25)は現在、地元・熊本の病院で治療を続けている。

 横山は「やっぱり偉大な先輩がいないのは落ち込むところはあるが、自分が活気を上げていかないとダメな選手になっていると思う。自分だけじゃなく、ジム全体を上げていきたい」と次期エースとしてジムを引っ張っていく覚悟を示した。

編集部おすすめ