◆新潟2歳S追い切り(20日・栗東トレセン)

 週末の2重賞の追い切りが20日、各地で行われた。第45回新潟2歳S・G3(24日、新潟)に挑むフェスティバルヒルは、栗東・CWコースで楽々と4馬身半先着。

今年の皐月賞馬ミュージアムマイルの半妹が、無傷2連勝での重賞初制覇へ仕上がり良好だ。

 鮮やかに伸びた。フェスティバルヒルが、栗東・CWコースで栗毛の馬体を弾ませた。ショウリュウアサヒ(3歳未勝利)を3馬身追走し、4ハロン50秒4―11秒1。ラスト1ハロンでギアを上げると僚馬を瞬時に突き放し、楽々と4馬身半先着した。「思った以上に反応してくれましたね。先週よりさらに競馬モードに入っています」と久野助手は納得の表情を浮かべた。

 皐月賞馬のミュージアムマイルの半妹という良血で、騎手時代に日本ダービー(07年ウオッカ、08年ディープスカイ)を2度制した四位調教師がほれ込んだ好素材。半馬身差でのデビュー勝ちと派手さはなかったが、直線で何度も手前を替えてフワフワする幼さを見せながらも勝ち切った。

 「仕掛けたのは最後のちょっとだけ。遊びながら、素質を感じる競馬をしてくれた。やっぱり血統馬ですね」と同助手。

2、3着馬が次戦で勝ち上がっており、メンバーレベルは高い一戦でもあった。「ファイトしすぎないように調整してきた。1週前に乗った石橋騎手も『思った以上に乗りやすい』と言ってくれました」と、思い描いた通りに調教メニューを消化。実戦を一度使った上積みも見込める。「(血統的に)注目されるのは宿命ですが、それに応えられる能力はあると思う」と潜在能力の高さに期待を込めた。

 2年前にアスコリピチェーノが制した出世レース。「ワクワクして競馬に行ける。(能力の)天井は高いと思います」。開業5年目の今年は、早くもキャリアハイだった23年を上回る26勝。先週16日にはJRA通算100勝をマークと、勢いに乗る四位厩舎期待のサートゥルナーリア産駒。晩夏の越後路で重賞初Vを決め、牝馬クラシックの主役候補に躍り出る。(戸田 和彦)

編集部おすすめ