◆明治安田J1リーグ▽第30節 町田3―1G大阪(20日・Gスタ)

 アジア・チャンピオンズリーグエリート(ACLE)による変則日程で2試合が行われ、町田はG大阪に3―1で勝利した。同一シーズンのリーグ戦8連勝は03年の延長戦廃止以降、J1歴代5位タイとなり16日のC大阪戦で塗り替えたクラブ記録も更新した。

一度は追いつかれたが、後半33分にDF登録の林幸多郎(24)がゴールを奪って勝ち越し。同45分にはFW西村拓真(28)がPKから決定的な3点目を沈めた。

 町田が止まらない。1―1の後半33分。DF昌子の浮き球パスをFW呉がヘッドで合わせた球は相手GKの正面に飛んだが、キャッチできず。一瞬の隙を見逃さず、DF林がこぼれ球を右足で押し込んで、勝利をたぐり寄せた。同一シーズン8連勝はJ1歴代5位タイ。連続無失点試合は5で止まったが、黒田剛監督(55)は「(連勝で)一番難しいのはメンタルの部分だが、一切ぶれることなく町田のサッカーをやってくれた」とうなずいた。

 この試合は警告の累積により、得点とアシストでチームトップの日本代表FW相馬が出場停止。しかし、決定的な3点目を奪った西村を筆頭に攻撃陣が積極的にゴールを狙い、2戦連続3得点と爆発。大黒柱の不在に主将の昌子は「正直心配はなかった」と強調し、「誰がいないとは言われたくなかった。チームの力を証明できた」と胸を張った。

 堅守が復活した。4月序盤に一度首位に立ったが、そこからは主力の負傷などが重なり苦戦。終盤での失点も増え、黒田監督の就任以降初の3連敗も喫した。町田らしさを取り戻すため、後半戦へ向けて守備の改善に着手。選手からもクロスの対応の見直しなど、指揮官に積極的に意見を述べ、指揮官もその言葉に耳を傾けた。実力者のDF菊池やDF中山もけがから復帰し、相乗効果を生んでいる。

 チームは暫定首位に浮上。得失点差も16でリーグトップだ。リーグ後半戦、昌子は「19連勝で優勝する」と目標を掲げた。しかし、昨季長く君臨した首位から転落した経験を教訓にする。「常に尻に火がついた状態で追い込まれていく悲劇感を選手も分かっている。ぶれずに町田のサッカーを成長させていきたい」と黒田監督。

笑顔で頂点に立つシーズン終わりまで決して気を緩めない。(浅岡 諒祐)

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