◆第54回インターナショナルS・英G1(8月20日、ヨーク競馬場・芝2050メートル、良=6頭立て)
ダノンデサイル(牡4歳、栗東・安田翔伍厩舎、父エピファネイア)は日本馬初の快挙には手が届かなかった。バーキャッスルが大逃げを打つなか、大きく離れた2番手を追走する形で直線に入って追い出されたが、失速し、5着に敗れた。
ダノンデサイルは、横山典弘騎手とのコンビで昨年の日本ダービーを優勝。有馬記念3着後、今年初戦となったアメリカJCC(1着)から戸崎圭太騎手とコンビを組み、前走のドバイ・シーマクラシックで海外G1を制し、このレースに臨んでいた。
戸崎圭太騎手(ダノンデサイル=5着)「(安田)先生とも馬場を一緒に歩いて作戦を立てたのですけど、作戦通りにいきませんでした。前に馬を置いて運びたかったのですけど、それができず、そこはロスでした。(デサイルに関して)順調にきていて、その過程も良かったと聞いていました。でも、返し馬から興奮気味で、本来の力を出すことができなかった原因のひとつかなと思います。残念な結果で悔しかったです。馬場は特に問題なかったと思います。こういう馬場が合わない思いはなかったので、それが原因とは思ってはいないです。(日本のファンへ)数多くの人たちの応援があったと思うのですけど、プラン通りにいかなかったし、リラックスさせられず、本来の力を発揮させられず申し訳なかったと思います。でも、まだキャリアの浅い馬なので、これからまた応援してもらえたらと思います」
英国遠征前、安田調教師は海外転戦などはせず、ジャパンCなどを選択肢に秋は国内に専念する方針を明かしていた。
安田翔伍調教師(ダノンデサイル=5着)「ちょっと特異なレースになって、リラックスするところがなかったところがありました。ラビットを用意してきた陣営があったのですが、この結果をしっかり受け止めて今後に生かしていきたいと思います。無事を確認して、日本に馬を連れて帰りたいと思います」
勝ったのは、ウィリアム・ビュイック騎手騎乗の英国調教馬オンブズマン(牡4歳、J&Tゴスデン厩舎、父ナイトオブサンダー)。同馬主のゴドルフィンが追加登録で用意した”ペースメーカー”のバーキャッスルを目標に最後の直線で末脚を伸ばし、一気にかわしさった。2走前のプリンスオブウェールズSに続くG1・2勝目を挙げた。その2走前では、最新の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」でフォーエバーヤングと並ぶ1位タイのレーティング127を獲得している。前走のエクリプスSでは、今回も出走した3歳のドラクロワの首差2着に敗れていたが、4・5キロあった斤量差は今回は3・5キロ。きっちり巻き返して、8戦6勝、2着2回とし、強さを誇示した。勝ち時計は2分7秒90。2着には追い込んだドラクロワ(ライアン・ムーア騎手)が続き、バーキャッスルが3着に粘り込んだ。