◆プロボクシング ▽54・5キロ契約8回戦 〇坂井優太(5回KO)ヤン・チュンフア●(21日、東京・後楽園ホール)

 2022年世界ユース選手権バンタム級優勝などアマ7冠の日本ユース・バンタム級王者・坂井優太(20)=大橋=が、ヤン・チュンフア(32)=中国=を5回KOで下し、デビューから5戦連続KO勝利を飾った。ヤンは6勝(3KO)2敗1分け。

 サウスポーの坂井は、低い姿勢から距離を詰めてくるヤンを右ジャブをコントロールし、強烈な左ストレートを上下にヒット。これまで4戦はすべて2ラウンド以内に決着をつけてきたが、初めて迎えた5回に連打をまとめて最初のダウンを奪ったところで、相手陣営からタオルが投げ込まれてKO勝ち。パーフェクトレコードを更新した。

 坂井は快勝にも「30点ぐらい。まだまだです。これからもっと強くならないと上にはいけない。より打たせずに倒さなければいけないと確認できた」と辛口自己採点。2回に右ショートアッパーを食らい「一発もらいました。被弾したのは良くなかった」と首をかしげた。一方でKO勝利にはこだわっていなかったと言い、フィニッシュシーンを「あの時は8ラウンド判定勝ちでいこうと思っていたので、冷静にたたみかけられた」と振り返った。

 父・伸克トレーナーは「不合格ですね。戦い方が一辺倒な感じだった。

練習でやってきたことがやれていなかった。足が動いていないですね。前の手も多彩じゃなかった」とさらに辛口で課題を挙げる一方で、「きょうは8ラウンドやってもいいんじゃないかと話していた。苦しい思いもしなきゃいけない。そういう意味では勉強になった」と収穫も口にした。

 6月、サウジアラビアの政府直轄プロジェクト「リヤド・シーズン」を運営する同国総合娯楽庁トゥルキ・アラルシク長官からラブコールを送られた。12月27日にサウジアラビア・リヤドで計画されている世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=の防衛戦興行に「アンダーカードに参加してくれることを願っています」と長官のXでオファーを受けた。

 「最近はYouTubeとかで世界でも見られるようにもなって、そういうところにも自分の存在をアピールできたら」と試合前に世界へアピールする快勝を誓っていた坂井は、「きょうは5ラウンドやっても全然しんどくはなかった。パワーもスタミナも問題ない。あとは自分の動きをしっかりするところだけ。サウジではパーフェクトな坂井優太で試合できれば」と決意を新たにした。

 坂井はアマチュア52戦50勝(7RSC)2敗の戦績を残し、昨年6月にプロデビュー。

今年6月15日にエディオンアリーナ大阪で行われた日本ユース同級王座決定戦で、宮下椋至(JM加古川)を2回TKOで下して初タイトルを獲得している。

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