◆第163回ヨークシャーオークス、仏G1(8月21日・ヨーク競馬場・芝2370メートル、良)

 夏恒例の3歳以上牝馬限定G1は異例の4頭立てで行われ、単勝1・53倍で圧倒的1番人気のミニーホーク(牝3歳、愛・エイダン・オブライエン厩舎、父フランケル)が制し、これで5連勝で3戦連続のG1勝利。アレクサンドローヴァ(2006年)、スノーフォール(2021年)に続く、英オークス、愛オークス、ヨークシャーオークスのオークス3冠を達成した。

Aオブライエン調教師は2023年から3年連続の勝利で、同レースは通算9勝目。ライアン・ムーア騎手は昨年のコンテントに続く勝利で、同レース通算5勝目となった。勝ち時計は2分26秒67。

 レースはガーデンオブエデンが逃げ、ミニーホークは3番手から。900メートルの長い直線で4頭が並ぶ形になると、ミニーホークはギアを上げて先頭へ。2番人気のエストレンジが食い下がったが、楽々と突き放して3馬身半差をつけゴールへ飛び込んだ。

 ムーア騎手は「素直な馬で、とてもいい状態でした。プロフェッショナルな馬です。道中も非常に楽で、先頭に立つとソラを使うところがあるけど、きょうは最後までしっかり走って楽勝でした。前走の愛オークスは、かわすのにてこずったけど、追えばどれだけでも伸びる馬です。きょうの速いペース、クイックなグラウンドもこなしてくれました。(同じ3歳牝馬のお手馬の)ワールとどちらも大変いい馬で、どんな馬場もこなしてくれます。

これからが楽しみです」と振り返った。

 今年に入って重賞を2連勝していたメンバー唯一の古馬、4歳のエストレンジ(ダニエル・タドホープ騎手)が2着。逃げた3番人気の3歳馬ガーデンオブエデン(ウェイン・ローダン騎手)が3着。4番人気の3歳馬チーリンクイーン(キアラン・シューマーク騎手)は2番手から運び、直線で失速して4着に終わった。

 ヨークシャーオークスは1着賞金が約4463万円(22万6840ポンド=2025年JRA発表のレート、1ポンド196・7390円で計算)。凱旋門賞馬のエネイブル(2019年)、アルピニスタ(2022年)など、勝ち馬には多くの名牝がいる。

 今回の結果を受け、今秋の凱旋門賞・仏G1(10月5日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)の勢力図に変化が現れた。大手ブックメーカーのウィリアムヒルで、ミニーホークはレース前は13倍で4番人気だったが、11倍で3番人気タイに評価を上げた。なお、ミニーホークは参戦には12万ユーロ(約1920万円)の追加登録料が必要とされる。

 カルパナ(牝4歳、英・アンドリュー・ボールディング厩舎、父スタディオブマン)が6倍で1番人気。前走のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・英G1では2着。仏ダービー馬の父スタディオブマンはディープインパクト産駒だ。

 日本調教馬は、北村友一騎手で参戦するクロワデュノール(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)が、15倍で5番人気。ビザンチンドリーム(牡4歳、栗東・坂口智康厩舎、父エピファネイア)は21倍で9番人気タイ。アロヒアリイ(牡3歳、美浦・田中博康厩舎、父ドゥラメンテ)は26倍で12番人気タイ。シンエンペラー(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、父シユーニ)は34倍で16番人気タイとなっている。

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