◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)王座統一戦12回戦 井上尚弥―ムロジョン・アフマダリエフ(9月14日、IGアリーナ)

 9月14日にWBA世界スーパーバンタム級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=との防衛戦に臨む世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=が21日午後、横浜市の所属ジムで、元WBA&IBF世界同級統一王者マーロン・タパレス(33)=フィリピン=、東洋太平洋フェザー級王者・中野幹士(30)=帝拳=と各5ラウンドずつ、計10ラウンドのスパーリングを行った。

 10ラウンドは、アフマダリエフ戦前の最長ラウンドとなる。

所属ジムの大橋秀行会長(60)は「疲れがピークに来ている3週間前に10Rのスパーリングでしたが疲れを感じさせない出来でした」と評価した。

 井上は所属ジムを通じ、以下のコメントを発表した。

 ―試合前のこの時期は予定通りの10ラウンドか。

 「そうですね。スパーリング内容もイメージ通りにできましたね」

 ―タパレスが練習パートナーとして仕上げて来日している。

 「もう、すごく練習になっていますね。そこはちゃんと練習パートナーとしてきてくれたと思う」

 ―タパレスからアフマダリエフの技術面などの情報提供あったのか。

 「何度かありましたね。まあ、当たり前というか対策のために来てもらっているので。対戦した時の話も聞いて自分自身のイメージも膨らんできましたね」

 ―帝拳ジム勢のサウスポー王者たちともスパーリングしている。

 「順番的に今日は中野選手でした。みんなアフマダリエフをイメージしやすいというか。

アフマダリエフは1つのボクシングスタイルではないから。足も使えるし、攻撃もできるしというボクシングをしてくる。いろいろな選手とスパーをやって、いろいろな想定をしているという感じです」

 ―帝拳ジムに2回の出げいこした成果は。

 「思っていたような気持ちというか、緊張感を味わえましたね。アマの時以来の訪問で、プロでは初めてだったので。ジムの雰囲気は変わっていなかったですね。やった意味はすごくありました」

 ―今後の調整は。

「まだまだスパーリングはやっていく。スパーリングで仕上げていく。いつも通りに順調です。変わらずに仕上げていると言えます」

 井上は「キャリア最大の強敵」との対戦に備え、23年4月にアフマダリエフを判定で下してWBA・IBF世界スーパーバンタム級王者となったタパレスをスパーリングパートナーとして招へい。中野のほか、名門・帝拳ジムに所属するWBOアジアパシフィック同級王者・村田昴、日本バンタム級王者・増田陸、WBOアジアパシフィック・フェザー級王者・藤田健児ら豪華サウスポー陣ともスパーリングを重ねている。

 一方、WBCのマウリシオ・スライマン会長は自身のX(旧ツイッター)で21日に「我々はVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)から、井上の抜き打ちドーピング(禁止薬物使用)検査の結果、陰性だったと通知を受けた」と明かし、アフマダリエフとの防衛戦に支障がないことを投稿した。

 戦績は井上が30戦全勝(27KO)、アフマダリエフが14勝(11KO)1敗。

 試合はNTTドコモの映像配信サービス「Lemino」で無料生配信される。

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