プロボクシングWBA、WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)1位の那須川天心(27)=帝拳=が23日、地元である千葉・松戸中央公園で「天心祭」を開催した。
開場前から整理券を手にした約600人が列を作って入場を待つなど大盛況。
一昨年、松戸のお祭りに参加したことがあるが、今回は自らが企画、TEAM TENSHINが主催して23、24の両日に開催。ファンとのじゃんけん大会や親交のある、お笑いコンビ「霜降り明星」の粗品とのトークショーなどを企画した。この日はダンスショーやのど自慢カラオケ大会、「真夏の大盆踊り大会」などファンとの交流企画が目白押しだ。
「お祭りを企画したのは楽しいから。日本の文化ですから」と天心。「負のニュースが多い。もっと体を動かして、外に出ようよというのが目的。地元を盛り上げるのは大事だし、愛がなければやらない。こういうのがきっかけで明るくなればいい」という。開催費用は「1試合の半分くらい。5ラウンド分くらいはかかった」とニヤリ。
2日間は練習は休みだが、「この前の日曜日に“前借り”して練習やってきたので」と天心。WBC&IBF世界バンタム級統一王者の中谷潤人(M・T)がスーパーバンタム級に上げる方向で、ベルト返上を考えているが、空位となればWBC1位の天心が王座決定戦に臨む可能性が出てきた。現在、WBC2位は元WBA王者の井上拓真(大橋)。拓真について聞かれた天心は「いつでもやる(対戦する)つもりはある」ときっぱり。ただ、「ずっとバンタム級にいるわけではない。やるべきことがなくなったら(階級を)上げる」と将来的には複数階級制覇も目指すプランを口にした。「面白いと思ったら(上の階級に)行きます。4つの団体もあるし、こんなお祭りを開いちゃうくらいだから、自分も祭りを開いちゃう」
今月初めのプロボクシング興行で同じ帝拳ジムの浦川大将さん、M・Tジムの神足茂利さんが試合後、救急搬送され、硬膜下血腫による開頭手術を受け、その後亡くなった。「悲しいことです」と神妙に口を開いた天心。
開場前から関係各所や公園内の屋台などにあいさつして回るなど、配慮は忘れなかった天心。「こういうお祭りをやっているが、本業は格闘家。格闘技を通じて、こんな生き方もあると伝えたい」と礼儀を重んじる姿勢を示していた。天心祭は24日にも同公園で行われる。