宝塚歌劇月組大劇場公演ミュージカル「GUYS AND DOLLS」が9月7日まで兵庫・宝塚大劇場で絶賛上演中だ。

 活気あふれる1948年頃の米国・ニューヨークが舞台。

超大物ギャンブラーのスカイをトップスター・鳳月杏(ほうづき・あん)がスーツ姿も格好良く、さっそうと熱演。昔なじみのギャンブラー・ネイサンを風間柚乃(かざま・ゆの)が渋さの中にチャーミングさを交えて好演している。2人が救世軍の軍曹・サラ(天紫珠李)を口説き落とせるか賭けることから始まるギャンブラーたちと、結婚に憧れる女性たちが織りなすハッピーミュージカル。宝塚歌劇では84年に月組の大地真央、黒木瞳により初演され、2002年に月組の紫吹淳、映美くらら、15年に星組の北翔海莉と妃海風により再演され大好評を博した。

 スカイ役の鳳月は「イギリスで見させていただいて、役の可能性や作品の楽しさがすごく印象に残りました。自分らしく、今の月組らしく演じられる自信みたいなものをいただきました」と、25年版の本作に意欲を語った。ギャンブラーに心を寄せる娘役陣の奮闘も見逃せない。サラは信仰に縛られたお堅い女性ながら、お酒が入ると見事な酔っ払いぶりを披露。一方、ネイサンと14年も婚約中のアデレイド(彩みちる、彩海せら役替わり)は、ネイサンに振り回されながらも一途(いちず)なところがいじらしく、かわいらしい。

 ギャンブラーが勢ぞろいしてのダンスは圧巻。また、ハバナのシーンでは出演者のにぎやかなダンスで場面を盛り上げる。鳳月は今の月組について「みんな作品に取り組むときも普段からすごく元気ですし、笑いの絶えない組だなって思っています。

今のみんなの勢いや、和気あいあいとした雰囲気がこのアメリカのハッピーミュージカルにつながっているのかな」とほほ笑んだ。

 トップスターに就任して1年が過ぎた。「舞台に立つ上では自分自身の感覚としてはいい意味では変わっていませんが、組の中心として物語を運んでいくことや、公演を見に来ていただいたお客様が満足して帰っていただけるようにというエネルギー。そういう気持ちの面で責任感を感じて、それがすごく充実しています」とにっこり。月組の団結力が舞台上で輝く。(ペン&カメラ・古田 尚)

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