◆明治安田J2第27節 藤枝4―1愛媛(23日、藤枝サ)

 藤枝MYFCが愛媛を4―1で下し、5試合ぶりの勝利。1―1の後半13分にMF浅倉廉(24)が2戦連続となるゴールを挙げて勝ち越すと、同20分にはJ1新潟から復帰したばかりのFW矢村健(28)が加点した。

ホームでの白星は5月31日の山形戦以来5試合ぶりで、4得点は今季最多タイ。

 歓喜の瞬間は後半20分だった。右サイドを抜け出した藤枝・浅倉が中央へクロス。そこに勢いよく走り込んだ矢村が頭を合わせた。

 帰って来たエースFWの「あいさつ代わり」の一撃にスタンドのサポーターは大盛り上がり。ベンチから飛び出した仲間にもみくちゃにされた背番号9も、スタンドに敬礼した。「決めるべきときに決める選手がいると、チームの士気が上がる。スタジアムの空気を変えた」と須藤大輔監督(48)はうなずいた。

 J1新潟から期限付き移籍していた23年からの2年間で計25ゴール。まさに藤枝のエースストライカーだった。だが今季、新潟に戻ったもののチャンスをつかみ切れないでいた。そして、この夏に藤枝からオファーを受けた。

尊敬する須藤監督からの「帰って来てほしい」というラブコールもあり、「試合に出て点を取りたい」と復帰を決めた。

 練習合流は21日。「競争を勝ち抜く」と強い気持ちでトレーニングに励み、この日のスタメンを勝ち取った。指揮官は「試合勘がどうか」と話していたが、前線を動き回って心配を吹き飛ばした。仲間たちも矢村の気迫に連動。前半18分に失点も、同37分にFW中川風希(30)が同点弾だ。

 後半には存在感がさらに増した。後半5分にゴール正面からミドル。惜しくもクロスバーを直撃したが、同13分にはGKのフィードに合わせて抜け出す。相手DFと競り合ったこぼれ球を、走り込んだ浅倉がシュート。勝ち越し点を呼び込んだ。

 同43分にはMFシマブク・カズヨシ(26)がFKを直接決めてダメ押し。

4月29日のアウェー・愛媛戦(4〇2)以来、今季最多タイの4得点だ。「矢村が入ったことで、昔の躍動感あるサッカーを思い出した」と指揮官。この勢いに乗って、次のアウェー・長崎戦も勝つ。(里見 祐司)

 藤枝FW矢村健(復帰戦でゴール)「後半に思い切ってシュートを打てるようになった。これから浅倉選手との差を詰めていきたい」

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