◇明治安田J2リーグ ▽第27節 札幌2―1甲府(23日・JIT リサイクルインクスタジアム)
北海道コンサドーレ札幌の柴田慎吾監督(40)が、2戦目の指揮で初の白星をつかみ取った。アウェー・甲府戦は前半17分にFWマリオセルジオ(29)の左足ボレー弾で先制。
1点リードで後半アディショナルタイムは5分。ベンチ前に立って懸命に指示を送る柴田監督だったが、思いにぶれはなかった。「選手を信じていたので」。試合終了の笛が鳴った瞬間、両拳を握りしめ、絶叫した。ベンチ前でスタッフと選手から初勝利を手荒く祝われた指揮官は「ほっとしてはいるが、自分のことよりコンサドーレが勝てたのが何より」と何よりも札幌の白星を喜んだ。
初采配となった前節16日の秋田戦(0●2)の反省を生かした。序盤に立ち後れた格好となったことを反省。練習ではキックオフから改善を図った。後ろに戻すことはせず、敵陣のライン際に長いボールを出し、そこをめがけて選手が走り込む。
11位に沈む現況打破へ、日々の練習から改善を図ってきた。「流れるようなトレーニングにしたい」と給水場所もスムーズに練習が進んでいくように設置。流動的になったことで躍動感が生まれ、選手の声も以前より出るようになった。活気がアグレッシブさにつながり、監督と初戦から一変し、手にした初勝利。「我々はとにかくJ1に上がらなきゃいけないので。追加点を取れなかったことなど、反省は次に生かしていきたい」。反撃へ、柴田札幌がのろしを上げた。(砂田 秀人)