「ももいろクローバーZ」の玉井詩織がファースト写真集「たまゆら」「しおどき」(SDP刊)の27日の発売を控え、スポーツ報知の取材に応じた。

 芸能活動20周年と30歳を記念し2冊同時発売。

ベトナムで撮影した「たまゆら」、フジテレビ系ドラマ「silent」などを手がけた脚本家の生方美久さんが書き下ろしたストーリーの人物を演じる「しおどき」で異なる表情を見せている。

 芸道20年、意外にも初の写真集となる。「王道よりは邪道なアイドル路線というのを進んできたので、写真集への憧れが身近になかったというか…気づいたら出してこなかった」と回想。「節目の年に応援してくださっている方への感謝の気持ちを込めたものができた。“初めて”を取っておいてよかった」と笑みを見せる。

 3人の女性を書き分けたストーリー写真集「しおどき」では事前に生方さんと「もしこの仕事をしていなかったら…」と話し合った。「美容の専門学校に行っていたのかな、とか。髪を切るカットもあるんですが、もしかしたらそういうエピソードを入れてくれたかもしれないですし、私のももクロ人生の中でも、髪を切ったことは大きい。重ね合わせられる部分を落とし込んでくださったのかな」

 スカウトを受け10歳で飛び込んだ芸能の世界。「最初は習い事に近い感覚でした。仕事という自覚はなく、ただ楽しいだけだったんですけど、ももクロでデビューしてライブをするようになって、自分の名前を呼んでくれる人がいる、求めてくれる方がいるっていうのが分かるようになったとき、『自分はここにいていいんだ』という存在意義を感じさせてもらった」と語る。

 ももクロ結成から17年。

背中を追うように後輩のアイドルも増えた。「私たちが始めた時は(事務所に)直属の先輩はいなかったからこそ、手探りで『こんなグループになれたらいいね』って話しながら進んできた。今もし『ももクロみたいになりたい』と思ってくれる子がいるんだとしたらうれしい」と感慨深げだ。

 息の長いアイドルとして第一線を走り続けている。「もちろん、それぞれのグループの形というものもあると思うんですが…。でも、もし女性アイドルグループが年齢で難しいんだっていう例を私たちがちょっとずつ壊していけたんだとしたら、進んできた道ってのは間違ってなかったんだなって、自分たち自身も気づかせてもらえているような気がします」。名前を呼んでくれる人がいる限り、玉井はステージに立ち続ける。(宮路 美穂)

 〇…玉井はこの日、都内で写真集の発売記念イベントに出席。自己採点を尋ねられると「2冊合わせてもちろん100点です。2冊同時に、そして新しいものもお届けできる、いいアイデアだったかな」と手応え。ももクロのメンバーにはサインを入れてみんなに渡したそうだが「まだ感想はもらえていないので楽しみ。あーりん(佐々木彩夏)は(表紙を見て)『かわいいじゃん!』っていつも通りの感じで言ってくれた」と笑みを見せていた。

 ◆玉井 詩織(たまい・しおり)1995年6月4日、神奈川県生まれ。30歳。2005年にスカウトで芸能界入りし、08年3月「ももいろクローバー」としてアイドル活動をスタート。カラーは黄色担当でキャッチフレーズは「ももクロの若大将」。14年に女性グループ初となる国立競技場でのコンサートを実施。今年は5月に日本武道館にてソロコンサートを開催。趣味はギター、カメラ、旅行。

編集部おすすめ