◇J2第27節 札幌2-1甲府(23日・JITリサイクルインクスタジアム)

 甲府戦は気温31・7度という暑さの中、シンプルに戦っていたのが大きかった。ある程度、後ろが安定してきていた中で一番怖いのは、中途半端にボールを奪われてのショートカウンター。

しかし前に長いボールを押し出していく形を取っていったのが奏功した。

 今はサッカーのトレンドも縦に縦にと変わっている。ミシャ(ペトロヴィッチ元監督)の時のように足元、足元では前へのスピードは出ない。ミシャの時の良さを生かしつつ、縦に速く展開していくことができるかは今後のカギになる。劣勢の時は縦に行き、落ち着いた時間帯はボランチを経由するとか、ピッチ内で選手が使い分けられるようになれば、更にいい攻撃ができる。

 甲府戦ではマリオセルジオが初めて先発した。これまではバカヨコが主に起用されて7点を挙げているが、90分を戦う上での貢献度で考えると、マリオの方がスタメンには適任かと思う。左シャドーの長谷川との相性がすごくいいし、ポストプレーもできて、ボールの引き出し方などを見ていても練習より試合の方が輝くタイプ。今はまだボールに触りたがって後ろに下がる場面もあるが、もっと敵陣でプレーする時間が増えれば、相手の脅威になるし、点はより取れてくる。

 後はサイドからのチャンスをものにする確率を上げること。クロスに行けるようにはなったが、そこからのアイデアやクオリティーは物足りない。柴田監督も言っていたようだが、3点目、4点目を取り切れるようにならないと、苦しい展開になる。

ゴール前に選手がどう入っていくかを含め、取り決めをつくっていくことも必要だ。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)

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