J1町田ユースの中山貴夫監督(51)が4日、オンラインで報道陣の取材に応じ、後半戦への意気込みなどを語った。後半戦の初戦は7日に大成高と戦う。

 町田ユースは前半戦を終えてT1リーグで1位。6勝2分1敗と好調を維持しており、高校年代で2番目のカテゴリーとなるプリンスリーグ(関東は2部もあり)への初昇格に近づいている。昨季は最終節で敗れて、昇格の可能性が絶たれたことから「ここ数年で目指すサッカーをより多くの時間で出来ているが、他のチームから対応もされてきている。相手の対応のさらに上を行く攻撃や守備を出さないと、非常に苦しいゲームが続くのかなと思う。この夏で各チームレベルを上げてきていると思うが、自分たちの質をしっかり出せるようにやっていきたい」と言葉に力を込めた。

 チームは8月18日から23日まで韓国にて強化キャンプを実施。仁川や大田のU―18などと3試合を行い、全勝で調子を上げた。個々の運動能力やフィジカルで勝る相手に対し、ボールを保持し主導権を握るサッカーが展開出来たことで「選手にとって非常に大きな自信になったと思う。ボールの際の部分で、自分たちから怖がらず、下がらず、前でプレーすることで試合を優位に進められたゲームが多かった」。ピッチ外でも昨年のフランス遠征に続いて海外を経験したことで「自分の知っている世界から一歩踏み出して話しかけてみるとか、自分たちで行動してみるとか、相手チームの選手と会話してみるとか、日常で味わえないことが出来たことも選手の自信になっていると思う」と成果を感じている様子だ。

 トップチームは今秋からアジア・チャンピオンズリーグエリートに参戦。リーグ戦でも8連勝を記録し、優勝争いに加わってきた。

代表経験者も11人おり、選手層が厚い。その中で、町田の下部組織出身の選手は、MF樋口堅、MF真也加チュイ大夢の2人のみ。その2人も今季の公式戦で1試合も出場できていない。

 中山監督も「今、FC町田ゼルビアのトップチームで活躍するには、年代別の代表に入っていたとしても難しいくらい層が厚くなっているのは間違いない」と、さらなる育成の必要性を語る。「我々は(町田の)アカデミーである以上、一歩一歩周囲から認められるような組織になって、いい選手が入ってきてくれるようになり、さらにカテゴリーを上げていく必要がある。ここ数年で変化はしてきているが、まだみんなから信頼されるようなしっかりとした土台がある組織にはいっていない。そこは一歩一歩やるしかないし、それが近道」。町田のアカデミーの育成コンセプトは「うまい、賢い、タフ」。アカデミーそしてトップチームの未来へ向けて、まずはT1リーグ優勝を目指す。

編集部おすすめ