吉本新喜劇の島田珠代がこのほど、縦型ショートドラマ配信アプリFANY:D(ファニーディー)で11日正午から配信された“初主演ドラマ”「踊るたま子」の合同取材会に大阪市内で出席した。今後は現在のギャグに頼らない“脱パンティーテックス”で「R―1グランプリ」「女芸人No.1決定戦 THE W」などの賞レースや、ひとり芝居などへの挑戦という新展開を構想していると明かした。
「踊るたま子」は平凡な大阪の主婦がダンスと出会ったことで、前向きに人生を歩んでいく…というストーリー。ワンオペの主婦業など「たま子」と「珠代」には重なる部分が多く、「珠代」自身が「たま子」に感化される部分も多かったそうで…。
「パンティーテックス(のギャグ)でウワーッと言っていただいて、だけどそういうのってずっと(続くもの)じゃない。『ちょっと違う自分を見つけなきゃいけないのにな』と。闇の中でもがいている時期に脚本をいただいたので。たま子を演じて『自分の幸せの物差しは(他人ではなく)自分の中にあるんだよ。自分次第だよ』と前向きになれました」
芸風とは裏腹に、座員の中では「暗い(性格)」で通っている珠代。新喜劇の出番前は、舞台袖にしゃがみ込み「きょうはアレやってコレやって…」と指で床をなぞる。「パンティーテックスもチ~ンも今日初めてするんだ」。マンキンでギャグを演じるために精神状態をリセットする儀式が、陰鬱(いんうつ)に見られているんだとか。
さらに「パンティーテックス」が初めて世に出たABCテレビ「相席食堂」(火曜・後11時10分)2020年9月15日放送の“神回”も「透けてるタオルケットを(頭から)かぶって三角座りで。シルエットと音しか…」と、まともに視聴できなかった。
「あれ(パンティーテックス)以上のことがまだできていない。暗黒の闇に迷い中だった」―。そんな根暗な珠代も前向きになれたのが「踊るたま子」だった。
「高校生の時(心斎橋筋)2丁目劇場でひとりコントをやってて、それをもう一回やりたいな…というか。落ちてナンボくらいに思って『R―1』とか『W』とかに出てもいいのかな。それを重ねていって、小さな劇場で自分だけのイベント、ひとり芝居ができれば」
1980年代後半、ダウンタウンの関西での人気を不動にしたMBSテレビの夕方の帯番組「4時ですよ~だ」で天才女子高生芸人としてブレイク。それから40年近くの年月を経た。「パンティーテックスは置かないと(封印しないと)いけないんだろうなって、もがいてます…って“もがいてます感”を出すと芸人さんとしてダメかも知れないですけど」
珠代は“脱パンティー”で新たなタレント人生を歩む。
なお取材会当日、珠代はドラマでも着用したレオタード姿で登壇。“脱パンティー”を宣言しながらも「きょうはおなかも隠れるしっかりしたパンティーを履いてます」と打ち明けた。さらに座長・吉田裕もツッコむことを嫌がる問題の新ギャグ「シンガポールの昆虫」を披露して“ギャグの珠代”の健在ぶりを見せつけていた。