12日の金曜ロードショー(後9時)では、時代を超えて愛され続けるディズニー作品の中から「眠れる森の美女」が登場。放送枠を10分拡大し、本編ノーカットで地上波初放送される。
映画が公開されたのは何と1959年。同じ年の米アカデミー賞作品賞受賞作が歴史に残る傑作とされる「ベン・ハー」と聞くと「どれだけ昔のことなんだ!」と驚くだろう。ただ、ウォルト・ディズニーが生前最後に手がけた童話である同作は、60年以上も前の公開ながら、現代においても十分に楽しめる作品となっている。
物語は、ある王国に王女が誕生するところから始まる。オーロラ姫と名付けられた王女は妖精たちから美しさときれいな歌声を与えられるが、魔女のマレフィセントからも「16歳の誕生日までに糸車で指を刺して命を落とす」という呪いもかけられてしまった。
呪いを恐れた王様はオーロラ姫を3人の妖精に託し、森の奥深くで育てることに。それから長い年月がたち、ついに16歳の誕生日を迎えようとするある日、オーロラ姫は森の中で「運命の出会い」を果たすことになるが…。
記者は何となくストーリーを知っているつもりだったが、いざ改めて見てみると恥ずかしながら「そうだったっけ?」というところが多かった。他のディズニープリンセス作品とゴチャゴチャになっているというところがあったかもしれない。
至って単純な物語ではあるのだが、それだけに半世紀以上も前に作られたとは思えないアニメーションの美しさ、ミュージカル映画としての醍醐味(だいごみ)である楽曲を、逆に存分に楽しめるのではないだろうか。個人的には、オーロラ姫が誕生した時に婚約するフィリップ王子の父・ヒューバート王の声優を、「ロッキー」シリーズのポーリーの吹き替えなどで知られる富田耕生さんがやっていたのがツボだった。
ちなみに、本編は尺が比較的短いことから、”おまけ”として約20分の短編「トイ・ストーリー 謎の恐竜ワールド」(2014年、日本初放送は15年)が冒頭に放送される。
主人公はウッディやバズではなく、トリケラトプスのおもちゃ・トリクシーで、いわばスピンオフ作品といった位置づけ。友達の家で出会う恐竜のおもちゃ・レプティラスとトリクシーの関係が、シリーズ1作目のバズとウッディの関係を想起させ、懐かしさを感じるのではないだろうか。(高柳 哲人)