J1の神戸が20日、神戸市内のグラウンドで約1時間半練習を公開した。この日、獲得が発表されたGK権田修一も合流初日を迎え、多くの選手とコミュニケーションを取りながら汗を流した。

 元日本代表として、W杯も2大会(2014年ブラジル、22年カタール)経験しているGK。初日の練習を終えて「プレーだけではなくて、切り替えの速さや要求などのところは質がすごく高い」と、リーグ3連覇を狙うチームのレベルを感じた。12日までが登録期限とされていたJリーグのルール上、今季はリーグ戦、天皇杯は出ることができない。公式戦はACLEのみ出場可能となるが「リーグは出られないのですが、クラブとして優勝するために自分は何ができるかというのはしっかりやっていきたい」と、出場に関係なくチーム力の底上げに一役買うつもりだ。

 今季はハンガリー1部のデブレツェニVSCに所属しており、6月で退団していた。そこからの期間は日本に帰国し、息子とともにトレーニング。神戸からのオファーを受けながら、海外でプレー続行の可能性も探っていた中で「ACLEで優勝したサウジアラビアのクラブがクラブW杯でマンチェスターCに勝ったりとか。少し前はそうじゃなかったかもしれないが、今のアジアはそのレベルになってきている。そこで、このクラブが優勝を目指している中で本当に必要としてくれていると感じた」と、決断に至った。「W杯にもう一度出たい」という自分にとっても、時間は決して多くない。「昨季はJ2のクラブに所属していたので。ここでJ1、アジアの舞台で活躍できることを証明するのは日本代表にもつながっていくのかなという思いがあった」と、強い覚悟を持って新天地に身を置いた。

 3日のルヴァン杯・横浜FC戦で、権田と同い年のGK新井章太が負傷し、今季絶望となった。GKとしてだけでなくチームの雰囲気づくりなども率先するベテランの痛すぎる離脱だったが、チームに安定感をもたらす補強となった。吉田孝行監督も「実績も経験も申し分ない。非常に心強い。来てくれたことに感謝したい」とコメント。実戦感覚を戻しながら、日程なども考慮しての起用になると話したが、一日でも早いデビューが待たれる。

 百戦錬磨のキャリアを持ちながら「もしかしたら今までのサッカーキャリアの中で一番大きい仕事がここでは必要になるかもしれない」と権田。ピッチ内外で、大きな背中を見せる。

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