女優の髙石あかりがこのほどスポーツ報知のインタビューに応じ、幼い頃からの目標を実現させた喜びを爆発させた。29日スタートのNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(月~土曜・前8時)で、主人公・松野トキ役を演じる。

「怪談」などの著書で知られる明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・セツさんがモデル。朝ドラのヒロインになることが夢だった少女が22歳に成長した今、「救われた」という言葉を織り交ぜながら自らのシンデレラ・ストーリーを語った。

 三度目の正直で夢をかなえた。「舞いあがれ!」(22年度後期)と「あんぱん」(25年前期)では最終オーディションまで進んだが吉報は届かなかった。保育園時代に『俳優になりたい』と言い始め、朝ドラヒロインを目指した。

 「きっかけは小学4年生。担任の先生に『あなたが朝ドラヒロインになった姿を見たい』と言ってもらえたことです。(吉報を)聞いたときは『もう一生この気持ちを味わえないんじゃないか!』って思うぐらいの衝撃でした。本当に目の前が真っ白で、今こうしてお芝居の現場にいることが不思議で、幸せです」

 4月2日のクランクインから半年近く。楽しかったシーンもオーディションに関係するとか。

 「1週目、初めて家族がそろう、とある場面が『わ、オーディションでやったシーンだ』って。もう楽しくって! オーディションって、セットが組まれていて、自分で着物を選んでお芝居をするカメラテストになるんです。

過去の2作品は“舞いあが”ってしまって、ふわふわ夢の中にいるような感覚。でも『ばけばけ』では地に足着いて、すごくリラックスできていました。きっと朝ドラヒロインになりたいという思いと同じくらい『大阪で、このスタッフの方々とお仕事がしたい』って気持ちが強くなったからだと思います」

 大阪制作の朝ドラ出演者は、ホテルではなくマンション住まいとなる。なにわの“洗礼”を最初に浴びたのは、クランクイン前の昨年11月。

 「トミー(・バストウ)さん(トキの夫・ヘブン役)の出演者発表会の時に少しせきが出て、一度舞台から降りたんです。すると(観覧の)お客さんから“あめちゃん”をいただきました。ちっちゃいジップロックの中にあめちゃんがたくさん(笑)。『わ、本物だ。知ってる知ってる!』って。その優しさに温まりましたし、今も(大阪の優しさに)救われています」

 昔から「好きな男性はボケもツッコミもできる人」と公言している。大阪でいい人ができるかも。

 「もしかするかもしれないですよ(笑)。

より笑いに貪欲な方がいいのかも。でもまずはヘブンさんに恋をしないと。ヘブンさんを愛していきたいと思います」

 願いが届いたヒロインの座。過去の作品で印象深いのは。

 「最初に見たのは『あまちゃん』(13年度前期)だったと思います。『カムカムエヴリバディ』(21年度後期)も『半分、青い。』(18年後期)も(再放送で視聴した)『カーネーション』(11年度後期)も好き。いろんなヒロインたちに救われてきたんだろうなと思います。朝ドラヒロインって、絶対に壁にぶち当たるじゃないですか。でも『それが悪いことじゃないんだ』って毎回思わせてくれる。成長や苦(く)が、人生において必要であることを学ばせてもらえるのが、朝ドラ。今回も“うらめしいこと”がたくさんで、1話からうらめしいんです(笑)。

そこから、どうすばらしく…『この世はうらめしい。けど、すばらしい。』というキャッチコピーのようになっていくのか、注目してもらえたらうれしいです」

 

 ◆髙石 あかり(たかいし・あかり)2002年12月19日生まれ。22歳。宮崎県出身。14年、現在の所属事務所「エイベックス」が主催した「キラットエンタメチャレンジコンテスト2014」で「ナルミヤオンライン賞」を受賞し、芸能界入り。19年、俳優活動を本格的に開始。身長160センチ。趣味は歌、ダンス。

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