歌手の西川貴教(55)が故郷の滋賀で主催する野外音楽フェス「イナズマロックフェス」が20、21日に草津市烏丸半島で行われ、2日間で計8万人を動員した。
琵琶湖を望むイナズマの地で、魂の歌声が響いた。
17年目に突入した同フェスは悪天候もコロナ禍も乗り越え、いまや初秋の風物詩として定着。西川は主催者として、国や自治体との調整に奔走するほか、当日も“プレーングマネジャー”として、バックヤードを所狭しと駆け回った。
今月6日にはXで「イナズマロックフェス」の名称が今年限りとなることを電撃発表したが「音楽の垣根を越えてアーティストさんが出てくださることに対し『ロックではない』という声が上がることもあった」と苦悩を明かす。もちろん、「アイドルもバンドもお笑いの方も出てくれるこの状況こそロック」と自負はあるが「フェスに来てくれる方が幸せになったり、出演する方に楽しかったと思ってもらえることが最優先。名称で縛られることに意味はない」と来年以降は新たな名で臨むことを決めた。
終演後には、来年9月19~21日の3日間にわたり同フェスが開催されることをサプライズ発表した。「公募で決まった『イナズマ』の理念は、滋賀の『滋』に起因している。基本は変えず、大事にしていきたい」。軸はぶらさず、さらに進化したフェスを作り上げるつもりだ。
〇…20日はももいろクローバーZや20th Centuryの長野博(52)、井ノ原快彦(49)の2人からなる「ながのーず」が出演。ながのーずは、昨年のイナズマに出演することを目的に作ったユニットで、西川は「名前をつけるところからスタートして、本当にこのフェスだけで活動してくれている」と感謝。「今年はもっと盛り上げたい気持ちで、2人がティガを呼ぶことを考えてくれた」と、かつて長野が演じていたウルトラマンティガのサプライズ登場などで沸かせた。
◆イナズマロックフェス 滋賀・彦根市に生まれ野洲市で育った西川が、2008年に滋賀ふるさと観光大使に就任した際に「音楽を通じて地元にお返しがしたい」と語ったことがきっかけで計画がスタート。09年9月に滋賀県の全面バックアップで、県初の大型野外フェスが誕生した。今年は2日間で総勢100組以上のアーティスト、パフォーマーが出演した。