3人組テクノポップユニットのPerfumeが年内で活動を休止する。メジャーデビュー20周年記念日の21日、オフィシャルファンクラブサイトなどで報告した。

 第一線で活躍を続けてきたPerfumeだが、1999年に結成し、ブレイクまでに8年を要した苦労人。2008年に、所属事務所アミューズの株主総会後のライブイベント(両国国技館)に出演した際、当時19歳だったあ~ちゃんが「路頭に迷った時期もありましたが、心の広いアミューズさんに面倒を見ていただいて。感謝しています」と感慨深げに語る姿が印象に残っている。

 音楽性はもちろんのこと、義理堅く、人柄も性格もいい。現在も月に1回食事に行くなど、メンバー同士の関係性も良好だ。そんな彼女たちが一大決心をしたのだから、熟慮を重ねた末に、このタイミングの発表になったことは想像に難くない。

 近年は海外からも注目を集め、米SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)や米音楽フェス「Coachella」、欧州最大の音楽フェス「Primavera Sound」に出演。華やかなステージを経験した一方、2022年に収容率32%を公表した宮城公演の開催という苦い経験もした。だからこそ“ファンファースト”の姿勢は一貫しており、9月21日に発表したのも「Perfumeとファンにとっての大切な日」だったからだ。

 20周年を迎え、3人が何かやり残したことがないか―を考えてみた。その答えは東京ドーム公演(22、23日)にあった。

 前回(2020年)は最終公演(2月26日)が新型コロナによる政府の大規模イベントの自粛要請を受け、開演3時間前に中止に。

映像で見た3人の無念の表情は忘れられない。

 単独公演としては活動休止前のラストライブだが、5年前の“忘れもの”を取りにいくため、ひと区切りを付けるためには不可欠なステージになる。(加茂 伸太郎)

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