江戸時代を代表する浮世絵師・葛飾北斎の弟子で娘でもあった葛飾応為(おうい)を題材にした、女流落語家・林家あんこ(39)の話題の自作落語『北斎の娘』の新作が10月16日に披露されることになった。翌17日から長澤まさみ主演の映画「おーい、応為」の公開を控え、高座にはすみだ北斎美術館の学芸員を招いたスペシャルトークも。

映画を楽しむ予習イベントにもなりそうだ。

 応為は美人画の名手として知られ、代表作「吉原格子先之図」(太田記念美術館蔵)は「江戸のレンブラント」とも。生涯の大半を父・北斎の助手として支えた謎多き女性絵師の半生を2022年から口演しているのが、林家一門期待の二ツ目、林家あんこだ。

 自身も二代・林家時蔵を父に持つ2世初の女性落語家だけに、偉大な父を持つ苦悩や葛藤などを盛り込んだ『北斎の娘』題材の独演会は毎回、チケット完売になるほど。その新作が、今回披露される「応為の花嫁修行」。応為が挿絵を施した「女重宝記」から着装を得た番外編作品で、江戸の情緒とともにその時代を生きた応為の生きざまをコミカルに語りつくす内容。もちろん『北斎の娘』の通し口演も行われる。

 会場は東京・中央区日本橋人形町の「日本橋社会教育会館ホール」で19時開演、主催はオフィス10。整理番号付自由席は残席があとわずか。映画「おーい、応為」公開前日のスペシャル会として、あんこは「北斎・応為作品を鑑賞しながら、すみだ北斎美術館の学芸員様のゲストトークもあって、学術的な視点からもお話いただこうという試みです。私もとても楽しみにしています」と話している。

 日本テレビ笑点」アシスタントを務めるあんこは墨田区出身・在住で、生涯の多くをすみだで過ごした北斎を題材にした落語をライフワークにしているだけに「江戸時代に生きた葛飾応為という素晴らしい絵師を一人でも多くの方に知ってほしい。

演芸を通して絵師たちのドラマを楽しんでほしい」とコメントを寄せた。

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