J1柏は26日、柏市内で次節の川崎戦(28日・U等々力)へ向けた調整を非公開で行った。この日30歳の誕生日を迎えたMF戸嶋祥郎は「ついになってしまいました。

24(歳)でここに来たので、気づいたらもう30歳」と笑うと「危機感しかない。前期の最初より(出場)時間、メンバーに入る回数は増えているかもしれないが、誇れるような数字ではない。ラスト10試合。リーグ、カップ、マックスで10試合ある。ピッチに出て、少しでもチームの力になりたい」と言葉に力を込めた。

 今季でプロ8年目。柏では2020年の加入以降6年目になった。チームでも上位の在籍年数になり「年数を重ねるごとに、何かここに残したいという思いは強くなっている」という。3rdキャプテンになった今季はここまでリーグ戦6試合出場と出番は限られているが、第22節清水戦(2〇0)でのゴール、横浜FMとのルヴァン杯準々決勝第2戦(1〇0)での決勝点など、要所で結果を残している。

 柏はMF渡井理己が右膝前十字靱帯(じんたい)断裂と内側側副靱帯損傷で離脱。リカルド・ロドリゲス監督も「けが人が重なっている。けが人の不在の穴をどう埋めるのか、既存の選手たちと共にどう改めて勝ちをもぎ取るのか。

しっかり力を合わせなければいけない時期」と強調するように、シーズン終盤へ向けて多くの選手の力が必要になる。戸嶋も「チャンスという言い方はあれですけど」と前置きをしつつ「チーム全体の力が今試されている。『怪我人が…』と言われるより、『チーム力あるよね』と言われるようにやらなければいけないと思っていますし、準備は続けている。結果を出したいなという思いでいます」と語る。

 柏に加入して以降、20年のルヴァン杯と23年の天皇杯で決勝に進出したが、どちらもあと一歩で敗北。戸嶋自身は20年はケガでメンバーに入れず、23年はピッチの上で敗北の悔しさを味わった。ルヴァン杯は4強に残っており、リーグ戦は首位の鹿島と勝ち点5差。待望のタイトル獲得の可能性は十分残されている。

 戸嶋は「(タイトルへの思いは)開幕のスタートダッシュを決めた時からすごい感じていますし、春先ぐらいから『タイトルを取ろう』という声をみんなが自信を持って口をそろえていた。勝ち点を離されて、全勝に近いペースじゃないと現実的には難しい状況ではあると思うが、全て勝つつもりで臨みたい」と強調。その上で「毎年(タイトルを)取りたい思いでいる。今年は現実的な位置にいると思っているので、より一層取りたい意識は強くなっている。

選手生活でなかなかあるチャンスじゃない。今年にかける思いは強いです」と強い思いを口にした。

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