第30回釜山国際映画祭のコンペティション部門に出品された「愚か者の身分」(永田琴監督、10月24日公開)の北村匠海、林裕太、綾野剛が26日、3人そろって最優秀俳優賞を受賞した。

 受賞したことに対して北村は「率直に3人でとるっていうのが、すごいこと」と感激。

綾野も「3人で1人の感情として捉えてもらえたことがとても嬉しい」とコメント。林も「まだ実感がわかない」「僕たちの作った映画が釜山で評価され、称賛され、それが形になったっていうのがすごくうれしい」と喜びをかみ締めた。

 授賞式には林が代表して参加。北村、綾野は東京で見守ることになったが、北村は「しっかり胸を張って行ってきてください」、綾野は「光を失った男と、光を諦めた男と、それでも光を追い続ける男のマモル役をやった裕太くんが、本当の意味でも輝かしい場所に立ってる姿を想像するだけで胸にくるものがあります」「何よりも楽しんでほしいなと思います」とエールを送り、林は「その2人の思いを背負って、釜山の晴れ舞台で堂々と胸を張って楽しんでいければいいなと思います」と胸を張って答えていた。

 授賞式で花束とトロフィーを受け取った林は緊張しながらも堂々としたスピーチ。「選択肢のない人が愚かなのか、それとも選択肢を確保しないその環境が、世の中が愚かなのか」「ただ、この映画において最も大切なことは、生きようとすることは決して愚かな選択肢ではないということです」と語った。そして「たとえ大きな夢や、何か大きな意義を見出さなくても、自分を支えてくれる誰かがいるなら、ここに生きる意味は大いにあるということだと僕は思っています。それを教えてくれたのがこの映画であり、今日来られなかった北村匠海さん、綾野剛さんです」と2人に感謝した。

 同映画祭の選考委員は「それぞれ個性がありながらも完璧に調和した、この3人の若い俳優たちの演技は、セリフに若々しいエネルギーを吹き込み、観客が登場人物と共に笑い、涙し、成長できる特別な力を示していた」とコメント。3人の演技を絶賛した。

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