◆大相撲秋場所千秋楽(28日・両国国技館)
横綱・大の里(25)=二所ノ関=が2場所ぶり5度目の優勝を決めた。7月の名古屋場所で横綱昇進後、2場所目で初賜杯。
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大の里の師匠・二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が28日、千秋楽パーティーが開かれた茨城・つくば市内で取材に応じ、横綱として初優勝を果たした弟子の成長を語った。決定戦の勝利に「本割の相撲が本当に完敗だったので、逆にあれぐらいで良かった。『これでダメだ』と思って切り替え、修正していい相撲が取れていた。本割の相撲が大きかった」と振り返った。
過去は1勝6敗(不戦勝を除く)で、豊昇龍を苦手としていた大の里。これまでは逆転の投げに転がされることが多かった。この日の優勝決定戦では、冷静に体を預けて白星をつかんだ。二所ノ関親方も「地道に基礎運動をやってきたことが出た。今まではクルッと投げられたところを、しっかり体を預けて寄っていたので、非常に進化している」と評価した。
二所ノ関親方は本場所中、大の里に具体的な言葉を掛けることはあまりないが、14日目の不戦勝後には「淡々といきなさい」と助言。その意図について「興奮をしていると、どうしても力が出なくなることは僕の経験でもあった。
5回目の優勝を果たした25歳について「まだまだ成長する。研究してくる相手の上をいくような進化をしてくれれば。ようやくスタート地点に立った感じ」と、大横綱への一歩を踏み出した弟子へ期待を込めた。