【レースと縁がある血統は?】

 9月28日(日)、中山競馬場で3歳以上馬によるGⅠスプリンターズS(芝1200m)が行なわれる。

 今年は豪華なメンバーが揃った。春のGⅠ高松宮記念(中京・芝1200m)を勝ったサトノレーヴ、昨年のスプリンターズS勝ち馬のルガル、2023年の同レース勝ち馬ママコチャに加え、3年連続で高松宮記念2着のナムラクレア、昨年のスプリンターズS2着のトウシンマカオも出走予定だ。

 さらに、この夏から秋にかけて重賞を勝ったカンチェンジュンガ、カピリナ、ヤマニンアルリフラ、ピューロマジックなど、新旧勢力がほぼ揃った印象だ。かなりハイレベルな争いになるだろう。

 それでは、血統的視点からこのレースを占ってみよう。今回は、このレースに実績のある血統という視点で分析するが、この視点で筆者が本命に推したいのがヤマニンアルリフラ(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。

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 同馬の父イスラボニータはGⅠ皐月賞馬。産駒の成績としては短距離タイプではなく、芝1200mの重賞勝ち馬もヤマニンアルリフラ(GIII北九州記念/小倉)が最初。しかし、その父フジキセキは、スプリンターズSの勝ち馬ストレイトガール、高松宮記念を勝ったキンシャサノキセキ、ファイングレインと3頭の芝スプリントGⅠ馬を出している。

 さらに注目したいのが、ヤマニンアルリフラの母の父スウェプトオーヴァーボード。同馬は父として2016、17年にこのレースを連覇したレッドファルクス、2011年2着のパドトロワを輩出している。パドトロワの母の父はフジキセキで、ヤマニンアルリフラを逆にしたような配合パターンだ。

 フジキセキは母の父として2022年2着馬ウインマーベルも輩出しているが、同馬の父アイルハヴアナザーは、父系を遡るとスウェプトオーヴァーボードと同じフォーティナイナーに遡る。フォーティナイナー系は2018年の勝ち馬ファインニードル(父アドマイヤムーン)も出しており、このレースとは非常に相性がいい。

 ヤマニンアルリフラは牝系の勢いも素晴らしい。兄ヤマニンウルスは7月のGⅢ東海S(中京・ダート1400m)で重賞2勝目を挙げ、はとこヤマニンチェルキは地方交流GIII北海道スプリントC(門別・ダート1200m)、地方交流GIIIサマーチャンピオン(佐賀・ダート1400m)と、ダート短距離の重賞を連勝中。

 同じくはとこのヤマニンブークリエは、9月15日のGIIセントライト記念(中山・芝2200m)で8番人気2着と激走した。この秋はどの馬もGⅠ/地方交流GⅠ戦線に挑戦しそうなので、この牝系の馬には注目しておきたい。

 ヤマニンアルリフラ自身も、今年は飛躍の年になっている。年明けの時点では1勝馬だったが、3月から3連勝で一気に7月の北九州記念を勝利。前走のGIIICBC賞(中京・芝1200m)は12着と大敗したが、前残りの流れが向かなかったようだ。スピード馬が揃う今回は、ハイペースで前崩れの得意な展開になる可能性が大きいだけに期待したい。

【もう1頭は、中山・芝1200mが合いそうなモーリス産駒】

 もう1頭はダノンマッキンリー(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)を推す。同馬の父モーリスは、2021年の勝ち馬ピクシーナイトの父。母ホームカミングクイーンは英国の桜花賞的な位置づけのレースであるGⅠ英1000ギニー(芝1600m)の勝ち馬で、半姉にも愛GⅠモイグレアスタッドS(芝1400m)勝ち馬のシェイルがいる良血だ。

 ダノンマッキンリーは、昨年のGIIIファルコンS(中京・芝1400m)の勝ち馬。

1200mでは勝利がないものの、今年4月の首GIアルクオーツスプリント(芝1200m)では世界の強豪を相手に4着に入っている。前述のピクシーナイトも芝1200mながらこのレースを勝っているように、モーリス産駒はこの中山・芝1200mが合うと見ている。

 以上、今年のスプリンターズSは、イスラボニータ産駒ヤマニンアルリフラ、モーリス産駒ダノンマッキンリーの2頭に期待する。

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