◆大相撲秋場所14日目(27日・両国国技館)

  大相撲秋場所は、1敗の大の里(二所ノ関)と2敗の豊昇龍(立浪)の両横綱による、千秋楽での優勝争いに持ち込まれた。結びの一番で豊昇龍が関脇・若隆景(荒汐)にはたき込みで白星。

この日不戦勝だった大の里の優勝こそ止めたが、取組はまさかの結果だった。

 豊昇龍は、先に手をついていた若隆景相手に自らのタイミングで立ち、右へ変化。右で上手を取ると、泳いだ若隆景を難なく下した。横綱の変化に場内は騒然。この日、NHKで解説を務めた元横綱・照ノ富士の伊勢ケ浜親方は「どうしても勝ちたい気持ちが、誰でもあると思うので」と胸中を察しつつ「ただ、自分がどういう番付で相撲を取るかというのは、人それぞれ考え方が違うと思うし」と神妙に語った。

 1差で追う豊昇龍は、大の里に本割、決定戦で2連勝すれば横綱として初優勝に届く。伊勢ケ浜親方は「明日、頑張ってほしいですね。両横綱の優勝争いが千秋楽まで、というのは結果的にはいいことだと思うし。明日、2人の対戦が楽しみ」と熱戦に期待を込めた。

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