◆明治安田 J1リーグ▽第32節 C大阪1―2京都(28日・ヨドコウ)

 リーグ3位の京都がC大阪に競り勝ち、4試合ぶりの白星を手にした。首位・鹿島には勝ち点5差。

後半30分から途中出場したFW長沢駿は決勝ゴールを挙げた。

 試合開始から球際の攻防が激しく繰り広げられた。前半25分にはFWラファエルエリアスが接触プレーで右膝を痛めてMF山田楓喜と交代。リーグ2位の得点数を誇るエースをアクシデントで欠く形となったが、勢い変わらず攻め込んだ。

 同44分には2試合ぶりの先発となったMF松田天馬が得点した。後半12分にはCKから追いつかれ、カウンターなどで押し込まれる時間帯もあったが、同30分にはFW長沢駿とMFレオゴメスを同時に投入し、山田のCKから長沢が頭で勝ち越し点。ゴール後は沸き上がったゴール裏に駆けていき「みんなのゴール。みんながつないでくれて、いいボールを上げてくれて、のゴール。感謝しています」と、喜びを爆発させた。

 試合開始時点で鹿島との勝ち点差は8。神戸も27日に土壇場で勝ちきる強さを見せており、引き分けでもV争いから遠ざかる一戦だった。長沢も状況は理解しており「常に優勝を目指すという中で、引き分けでもダメだった。

絶対負けられない戦いだった」と振り返る。10月25日には鹿島と、12月6日の最終節では神戸との試合を迎える中で「いいプレッシャーと捉えて、きょうみたいな戦いができれば。最終戦は神戸なので。そこで倒して優勝できるように」と、チーム内でも最終戦まで優勝争いを演じるという意識は浸透している。

 3節前の清水戦では、故郷での古巣戦に6試合ぶりのスタメン出場を果たしながら、後半26分に途中交代。チームも0―1で敗れた。「悔しい思いをしなかったら分からなかった。今となればあの悔しい思いがあったからこのゴールがあったと思える」。2023年、24年にはJ2大分で2度の契約満了を経験。悔しさをバネに、なんてものではない。何度も立ち上がってきた不屈の男らしく、最後までタイトルを争うという姿勢を、結果で示した。目の前の一戦に力を尽くす意識は不変ながら、おのずと「優勝」という言葉を耳にする機会も増える。

それでも殊勲のベテランは「チーム的にはそうかもしれないですけど、個人的には優勝というよりは毎日毎日必死にやることしか頭にない」と、ぶれない。初優勝をかけて残すは6試合。次の出番に向けて、刀を研ぐ。

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