歌舞伎俳優の中村隼人が1日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「錦秋十月大歌舞伎」(21日千秋楽)「通し狂言 義経千本桜」第1部「渡海屋・大物浦」で、渡海屋銀平実は新中納言知盛を演じた。

 満身創痍となりながら、気力で戦い続ける知盛は、碇綱を巻き付け、海へ身を投げる壮絶な最期を迎える。

以前から「目標とするお役は碇知盛」と公言していた隼人は片岡仁左衛門から教わり、大役に挑んだ。大胆な立ち回りに加えて、高貴な役柄ならではの上品さ、安徳帝のために身をささげる忠義を表現して喝采を浴びた。

 坂東巳之助の長男・守田緒兜(おと)くんが銀平娘お安実は安徳帝役で出演。「知盛、さらば」と呼びかけるなど、大事な役どころを見事に演じきった。

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