◆米大リーグ ワイルドカードシリーズ第2戦 ドジャース8―4レッズ(1日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・山本由伸投手(27)が1日(日本時間2日)、ワイルドカードシリーズ第2戦となる本拠地・レッズ戦に先発。今季のポストシーズン(PS)初登板は6回2/3を4安打2失点(自責0)、9奪三振の好投で白星を挙げ、チームをフィリーズの待つ地区シリーズ進出に導いた。

最速97・4マイル(約156・8キロ)、球数113球はレギュラーシーズンを含めて渡米後最多の熱投だった。

 初回。2死一塁から4番のA・ヘイズの打球を右翼のT・ヘルナンデスがまさかの落球で2死二、三塁となると、5番スチュワートに右前へ先制の2点適時打を浴びた。低めのスプリットを見逃される場面も多く、26球を要するなど珍しく苦しい立ち上がりとなった。2回は速球中心の配球に切り替え、2奪三振で3者凡退と復調の気配を見せた。

 4回まで10者連続アウトと完全に立ち直った右腕。チームが逆転した直後の5回も7番スティーブンソンをカーブ、9番マクレーンを96・8マイル(約155・8キロ)直球で空振り三振。13者連続アウトと圧倒した。

 しかし、1点リードの6回。1番フリードルに右前打を許し、初回以来の走者を背負うと、2番スティアの中前打、昨季同僚だった3番ラックスの三塁内野安打で無死満塁のピンチを招いた。それでも、4番のA・ヘイズは遊ゴロで本塁封殺。1死満塁から初回に先制タイムリーを打たれていた5番スチュワートをカーブで空振り三振に斬り、最後は6番デラクルスもカーブで空振り三振に仕留めた。

大きくほえ、ベンチの大谷もガッツポーズ。満員のドジャースタジアムは大歓声に包まれた。

 山本は試合後、「デラクルスに対してカーブが少し多くなって、反応も有効な感じは見て取れたので。カーブを選んだのはベン(捕手のロートベット)ですけど、そこまでもいいボールを投げられていたので、自信を持っていきました」とし、「1点差だったので、ヒットも許したくなかった。ノーアウトから最初ショートゴロだったんですけど、そのバッターからしっかり落ち着いていいコースを突いていこうと思って投げて。1人目、うまくランナーもスタートを切れないような打球だったので、あれで1アウト目を取れたのがすごく大きかったです」。ここで園田通訳が答えを忘れてしまい、会見場が笑いに包まれる場面もあった。園田通訳は山本に聞き直し「ソーリー」と言ってから言葉を紡いだ。

 山本は大谷の適時打などでリードを5点に広げた直後の7回も続投。1死から代打ベンソンには四球を与え、2死一塁でフリードルに四球を出したところで降板となったが、大谷からも笑顔で祝福されるなどエースの意地が詰まった投球だった。

 渡米2年目で初の開幕投手を務めた今季は30試合で12勝8敗、リーグ2位の防御率2・49、被打率1割8分3厘はメジャートップだった。チームでは唯一ローテを守り切り、9月6日(同7日)の敵地・オリオールズ戦で9回2死までノーヒットノーランの快投。

日本人では史上7人目のシーズン200奪三振にも到達し、17回1/3連続無失点で2年連続のPSに突入した山本はサイ・ヤング賞の候補にも挙がっている。ワールドシリーズを制した昨季のPSは計4試合で2勝0敗、防御率3・86だった。

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