広島は13日、ドラフト会議(23日)で創価大・立石正広内野手を1位指名すると公表した。マツダスタジアム内の球団事務所でのスカウト会議後、田村恵スカウト部長が「近い将来の中軸、4番の候補」と明かした。

一昨年の常広、昨年の宗山(楽天)に続き、3年連続で12球団最速の公表となった。

 今年も競合必至のアマナンバーワン打者の獲得に乗り出す。昨年は広島出身の宗山を5球団競合の末に逃した。立石を巡っても、宗山同様に複数球団の1位指名が見込まれる。一昨年に2球団競合で常広の交渉権を引き当てた新井監督が、3年連続で抽選に臨むことになりそうだ。

 立石は、2年春に東京新大学リーグで打率5割、14打点、同リーグ最多タイの5本塁打を記録し、3冠王。強打が売りの右の内野手として3年で侍ジャパン大学代表に選ばれ、4番を務めたこともあった。

 今季、チームは15年ぶりの借金20を背負い、2年連続Bクラスとなる5位に沈んだ。開幕投手の森下が両リーグ最多14敗(6勝)と苦しみ、坂倉の不振も誤算だった。一方で昨春に当時プロ8安打で侍ジャパンに選出された田村を筆頭に、特に若手野手の伸び悩みが目立った。同じ内野に、シーズン終盤に4番起用の英才教育を受けた昨秋ドラフト1位・佐々木がいるが、今後のチームを考えても若手野手の存在は必要不可欠だ。

 今年も最速公表という形で誠意を示した。

22年は、広島が単独指名した斉藤を含め、事前公表とした9球団すべて交渉権を獲得。23年は5球団が事前公表も、昨年は広島のみ。ただ、昨年は中村優を一本釣りしたヤクルト以外の11球団が競合という異例の展開に。今年も、立石争奪戦の行方が注目される。

 ◆立石 正広(たていし・まさひろ)2003年11月1日、山口・防府市生まれ。21歳。華浦小1年から華浦スポーツ少年団で野球を始め、高川学園中では高川学園シニアでプレー。高川学園では3年夏の甲子園1回戦・小松大谷戦でバックスクリーン弾。創価大では2年春に東京新大学リーグ3冠王。今春は最多本塁打、最多打点を記録しMVPに輝く。3、4年時に大学日本代表入り。50メートル6秒0。

180センチ、86キロ。右投右打。

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