6月3日に89歳で死去した長嶋茂雄さんの「ミスタージャイアンツ 長嶋茂雄 お別れ会」が21日、東京ドームで開催され、マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(52)が追悼のビデオメッセージを送った。

 「シアトルマリナーズ、イチローです。

長嶋さんにお目にかかるたびに、野球に対する真っすぐな思いとあふれ出る品格に感銘を受けていました。そのお姿はいつもキラキラと輝き、オーラとはこういうものかと驚いたのを鮮明に覚えています。野球の存在を世に知らしめてくださった長嶋さんのご功績は計り知れません。愛した野球に心血を注がれ、ご自身が多くの人々からの憧れの対象であることを理解され、憧れられる立ち居振る舞いとは何なのかをとことん追求され、完璧に表現された唯一無二の方です。理屈ではなくフィーリングでプレーするスタイル、本当の天才ってこうなんだなと感じておりました。一定世代以上の人たちが将来野球選手になりたいと夢を持ったのは、いつもかっこいい長嶋さんのプレーがあったからこそです。時代の変化もあり、野球も選手個々の特性も大きく変わりつつありますが、長嶋さんが示してくださったプロとしての矜持と姿勢は、どんな時代が訪れようともつないでいかなくてはなりません。多くの後輩たちが長嶋さんの精神を受け継ぎ、個性あるプレーで野球ファンに喜んでもらうことが、長嶋さんへの最大の恩返しではないでしょうか。長嶋さん、後輩たちの姿に期待して温かくそして、厳しく見守っていてください。長きにわたり野球界を牽引してくださりありがとうございました。どうか安らかにお眠りください」

 長嶋さんはイチロー氏が出場した09年WBC前の宮崎合宿を訪れて直接エールを送るなど、球界のトップを走るもの同士として交流があった。

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