JA全農たまごが公表した17日時点の鶏卵卸売価格(東京Mサイズ)が、1キロあたり345円を記録した。平年の200円前後を大きく上回り、過去最高値とされた2023年の「エッグショック」時の350円に肉薄する水準だ。

店頭価格も連動して上昇している。総務省の統計データなどによると、Lサイズ1パックの全国平均価格は308円前後。2023年の水準を超え過去最高値を更新した。

 背景には「供給減」と「需要増」の重なりがある。農林水産省のまとめでは、12月に入り、北海道鳥取県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生。環境省の調査でも野鳥の陽性確認が1日時点で45件以上に達しており、ウイルス蔓延(まんえん)による供給不安が広がった。加えて、12月はクリスマスやおせち需要で1年で最も卵が消費される時期であり、需給バランスが逼迫(ひっぱく)していることが背景にある。年末の家計への打撃は避けられそうにない。

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