巨人・岸田行倫捕手(29)が来季から新主将に就任することが17日、決まった。15日に阿部慎之助監督(46)から正式に伝えられ、巨人軍第21代主将を務めることが決まった。

キャプテン制の復活は2年ぶりで、捕手の主将は阿部監督の現役時代以来、球団3人目。新主将は「勝てるチーム」を目指し、動いて、発言して、プレーでも引っ張る決意を示した。

 岸田は引き締まった表情で所信表明した。主将就任が決定。川上哲治長嶋茂雄王貞治らレジェンドが背負った看板を受け継ぐ。大役を任されたことを意気に感じながら、第21代主将として常勝軍団を作る決意を口にした。

 「チームを引っ張っていかないといけないことは分かっていた。そのタイミングでキャプテンに選んでいただいたことは本当にうれしい。いい方向に向くように、勝てるチームを作れるようにできることをやる。自信を持ってやりたい」

 重責を託された。2日前の15日。スマホが鳴った。

阿部監督からだった。「電話がきて『キャプテンをやれ』という連絡でした」。24年オフ、「全員がキャプテンのつもりでやってほしい」という指揮官の思いから今季は主将制を廃止していたが、来季は2年ぶりに復活。選手としての成長、コミュニケーション能力、広い視野など、リーダーとしての資質を評価され、捕手では藤尾茂、阿部慎之助以来3人目の主将に任命された。第18代キャプテンで07年から8年間務めた阿部監督からは「まずは思うようにやって。楽しんで思い切ってやってくれ」と背中を押された。

 誰よりも動いて、発信して、鼓舞していく。中学、高校は副主将で、主将は少年野球以来。プロ入り後は坂本や岡本がキャプテンとして引っ張る姿を見てきた。「チームはいい時も悪い時もあるけど、悪い時に歴代のキャプテンはそのままスーッといくのではなく、選手だけで集まって『もうちょっとこうしよう』と、ミーティングをしたりしていた。そういうのは大事だと思う。自分が発言したり、伝えていかないといけない」。

過去のリーダーを参考にしながら、役割を全うする。「プレーするのは選手なので選手同士で意見、発言をしあった方が絶対いい」と活発に会話をしながらチームを作る。

 今季は控えの立場でスタートしたが、シーズン途中から正捕手に定着。87試合で打率2割9分3厘、8本塁打をマークするなど奮闘し、11月には侍ジャパンにも選出された。最近では坂本が主将2年目の16年に首位打者を獲得し、岡本は就任1年目に初の40本塁打をクリアするなど進化を遂げてきた。「やらないといけない思いがより強い」と語る背番号27は、重圧を力に変えてさらに成長する可能性がある。リーグV、日本一を目指す来季。岸田主将が先頭に立つ。(宮内 孝太)

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