◆第70回有馬記念・G1(12月28日、中山競馬場・芝2500メートル)

 暮れのグランプリ、有馬記念を担当するヤマタケ(山本武志)記者の「考察」展開編は、ジャスティンパレスに注目した。

 まずは触れたいことがある。

当初、今年は結構な消耗戦になると思っていた。それはサンライズアースがいたからだ。瞬発力勝負を避けたいタイプだけに道中で動くと踏んでいた。しかし、週中に回避が決定。思考回路を切り替えることにした。

 今年は小林調教師が「行くだけ行け。それだけです」と抽選会で口にしたミステリーウェイの先手か。重賞3勝すべて逃げ切りのメイショウタバルの出方がカギだが、「ポジションはどこであれ、馬がリラックスして前半走ってくれれば」と武豊。ミステリーを見る離れた2番手でマイペースを刻めば、淡々と進む3番手以降はスローになる可能性は十分だ。

 金曜朝の取材中。先週の中山を使った調教師から「今の中山(芝)は絶対に内」と聞いた。確かに先週日曜は芝6鞍で連対馬12頭中11頭が内を通った馬。

そもそも、発馬直後がコーナーの芝2500メートルは内枠有利の舞台だ。

 ただ、実は近3年の連対馬6頭中4頭が早めに仕掛け、一気に位置を押し上げている。馬場の真ん中から外の馬が勢いそのままに、しぶとく末脚を絞り出す。昨年10番人気で2着のシャフリヤールもこの形だった。

 当初の想定より緩やかに流れそうな今年。好位や中団から長くいい脚を使える馬が怖い。ならば、ジャスティンパレス。今年の天皇賞・春、昨年の宝塚記念など勝負どころで押し上げる脚があり、2走前の天皇賞・秋のように最近は位置も取れる。自在なロングスパートが不気味だ。(山本 武志)

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