パドレス・松井裕樹投手(30)が9日、3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)での大会連続無失点継続を誓った。すでに日本代表入りが発表され、救援のスペシャリストとして期待される左腕は鹿児島・奄美大島で自主トレを行い、本大会にかける思いを激白。

メジャーの強打者たちの攻略法など、培った経験を還元することも約束した。

 3月6日に台湾と激突するWBC初戦まで2か月を切った。松井は年明け3日から奄美大島で自主トレを開始した。既に2度ブルペンに入るなど、ここまで順調な調整を進めている。

 「まだ時間もあるので、気持ち的には高まってはいますけど、今は自分のやる作業に集中しています」

 昨年12月中旬に松井は侍・井端監督とサンディエゴで対面し「どこでも行ってもらうと思うから頼むよ」とメンバー入りを伝えられた。23年の前回大会はWBC球の対応に苦しみ、1登板に終わった。チームは優勝したが、達成感よりもふがいなさが強く残った。

 「WBCで自分の力を出したいし、前回できなかった部分の借りを返したいという気持ちも強く持っていますけど、力み過ぎずにやっていきたい」

 松井は17、23年に続く3大会連続出場となる。日本人投手では杉内俊哉以来2人目。過去2大会は4試合計3回2/3で無失点投球を続けている“ミスターゼロ侍”は、今大会も無失点継続を誓った。

 「マウンドに上がったらそのイニングはゼロで帰ってきたい思いはずっと変わらない。オープン戦であっても、WBCでもシーズンであっても」

 24年からパドレスに移籍し、2年連続60試合以上に登板とフル回転。

強烈なパワーを誇る打者たちの怖さも肌で感じた。決勝まで進めば対戦が予想されるアメリカの主砲・ローリー(マリナーズ)の打撃には衝撃を受けた。24年7月の初対戦では真ん中低めのボール球を捉えられ、左翼へ2ランを浴びた。

 「簡単にホームラン打ちますね。ホームランの軌道に(打球を)乗せるのがうまい」

 ただ、ローリーとの25年の対戦では打ち取るなど、経験は何物にも代えがたい財産だ。各国WBC代表にもメジャーの強打者は多く名を連ねるが、フリーマン(ドジャース)ら左打者には好相性を誇る。本大会でもジャッジ(ヤンキース)ら対戦経験のある打者の得意ゾーンなどを仲間たちに惜しみなく伝える。

 「(メジャーの選手は)みんな内角低めには強い。(打ち取るなら)高めか真ん中のボール球。思い切っていくならインハイ。左投手が右打者の内角、ストライクゾーンにスライダーを投げたら全部ポール際にホームランを打たれます」

 データ野球では最先端をいくアメリカに勝つためには日本の投手力がカギとなることは理解している。

 「今は(相手投手の映像が出る)マシンもあって配球パターンだったり、初対戦でも投球の軌道が分かる。

相手は来るボールが分かっている状態が基本線(だと考えるべき)。そのなかでどこに何を投げるのか」

 今大会の侍の救援投手では最年長となる可能性もある。リーダー格として若手を引っ張る立場になる。古巣のファンへの思いも背負いマウンドに上がる。

 「前回は楽天から1人で行って、恥ずかしい感じで帰ってきたので、今回は楽天ファンの方々にもちょっとでも成長した姿を見せられるように」

 目標はフル回転で2連覇。今度こそ完全燃焼する。(取材・構成=長井 毅)

◆この日の松井の練習メニュー

 ▽午前8時10分 ウォーミングアップ

 ▽8時30分 ピラティス

 ▽9時45分 下半身強化などのトレーニング

 ▽10時55分 補食・休憩

 ▽11時15分 ジャンプ系など体全体を動かすトレーニング

 ▽11時45分 肩甲骨周りの柔軟性を意識したトレーニング、投球ドリル、キャッチボール、ブルペン

 ▽午後1時半 昼食

 ▽2時 ウェートトレーニング

 ▽3時 マッサージなど体のケア

 ▽4時 ピラティス

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