巨人の阿部慎之助監督(46)が20日、期待の若手に“ミスターばり”の熱血ノックを打った。居残り練習で石塚裕惺内野手(19)、門脇誠内野手(25)、浦田俊輔内野手(23)、宇都宮葵星内野手(21)の4選手に計26分間で263球、ゴロを打ち続けた。
まるでミスターのように熱く、魂を込めてノックバットを振った。阿部監督は「よーし!」「いけるぞ!」など大きな声で鼓舞しながら絶妙なコースにゴロを打った。三塁の石塚、二塁の門脇、浦田、育成の宇都宮が何度も横っ跳びして泥んこに。はじいたり送球がそれると「3本!」と追加で3球連続のおかわりを課し、左右に打球を振った。
セルラースタジアムの黒土のグラウンドで行った居残り特守。「セ・リーグの場合は守備が必要。期待している4人だからこそ打たせてもらいました」と思いを白球に込めた。ノッカーの阿部監督へのボール渡し役を務めた長野久義編成本部参与も「ナイスプレー」などと4選手に声かけ。
現役時代の左打ちではなくノックは右打ちの阿部監督。途中からバウンドするゴロ、スライス回転の地をはうようなゴロ、前の緩いゴロなど、実戦を想定したさまざまなタイプの打球を巧みに打ち分けた。場内のBGMは、石塚らにエールを送るように野球アニメ「タッチ」の主題歌や、中島みゆきの「ファイト!」などが流れた。26分間、263球を打ち終えた指揮官は「サラン(韓国語で『愛』)ですよ」とさらっと言った。
阿部監督のプロ1年目の01年の監督が長嶋さん。ミスターといえば地獄の伊東キャンプや、広島からFA移籍した三塁・江藤智への宮崎キャンプでのマンツーマンノックなど数々の鬼ノック伝説がある。この日は長嶋さんの誕生日で「生誕90年」にあたる。恩師の思いを継承してノックを打った。終了後には「今、川相さん(ディフェンスチーフコーチ)がやっているルーチンを大事にして、毎日飽きずにやった方がいいんじゃないか」と守備への意識をさらに高めるよう4選手に声もかけた。
キャンプ前に長嶋さんの自宅を訪れ、次女の三奈さんからスーツなど多くの遺品をもらった。その中で「1個、ブローチをもらい、ミスターが本当は開幕の時につけていこうと思っていたブローチだったらしく、僕が受け継ぐ形でいただけた。
◆ミスターの鬼ノック
▽94年2月2日 宮崎春季キャンプ初ノックでミスターは原辰徳、岡崎郁、篠塚和典、落合博満の4人にそれぞれ50本、計200本のノック。
▽97年2月11日 宮崎春季キャンプ初ノックで、二塁の定位置争いをする元木大介と仁志敏久の2人に合計342球。「元木はまだまだ。仁志の方がフットワークいい」
▽00年2月12日 この日、監督として背番号3を初披露したミスター。宮崎キャンプのA球場で前背番号の33をつけた江藤智に三塁で223球のノック。指揮官が「どうした、33番! 今のを捕れないと大介(元木)に勝てないぞ!」とゲキを飛ばす場面も。受けた江藤は「最後は2人だけの世界という感覚。ファンの声も分からなかった。背番号3もよく見えなかった」。










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